3033m 百名山 登山日:2007年8月5日
「登りやすい3000m級」
仙丈ヶ岳は、アプローチこそ大変であるが、3000m級にしては登り易い。あまり危険な箇所はない上に、標高2000m超の北沢峠までバスが運んでくれるからだ。うまくスケジュールを組めば、東京から夜行日帰りも可能である。 北沢峠からは、南西に登れば仙丈ヶ岳、北東に登れば甲斐駒ケ岳になる。北沢峠をベースにして両座をピストンする人も多い。標高もほとんど差がない。と言うわけで、この二座はよく比較される。 登ってみればわかるが、お互いから相手を見ると実にカッコいい。と言っても内容が違う。甲斐駒から見た仙丈は緩やかな稜線が綺麗な弧を描いているのに対し、仙丈から見た甲斐駒は左右が切り立ち無骨な山容である。仙丈が女性的、甲斐駒が男性的と言える。 この仙丈ヶ岳を北沢峠行きのバスの出発点、仙流荘に一泊、頂上直下にある仙丈小屋に一泊の計二泊かけて登った。 <リンク> 伊那市保養センター「仙流荘」 仙丈小屋 |
小仙丈ヶ岳から見た仙丈ヶ岳 |
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行程
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前日は、仙流荘泊の予定だったので、ゆったりと家を出る。諏訪湖畔で昼食を摂り、杖突峠から高遠に入った。高遠と言えば、城址公園の桜が有名。ちょっと季節は違うが、寄ってみる。大きな公園で、ここに本当に城があったのであろうかと思うほど、うっそうとした森になっている。上の絵は有名な太鼓櫓。 |
仙流荘は南アルプス登山の基地として使われるので、朝の始発バスに合わせて5:20から朝食が摂れる。昼食の弁当も用意できる。昨今、山の基地になる宿でも朝食時間が遅く、弁当も用意してくれない事が多い。これだけでも滅茶苦茶嬉しい。 6:00仙流荘発のバスに乗り北沢峠に向かう。バスの運転手がガイドもしてくれる。「左の峰が鋸山」「右に咲いているのはハクサンシャクナゲ」...。1時間の行程だがあっと言う間に北沢峠についてしまった。 |
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北沢峠から、うっそうとした森の中、山道を登っていく。道脇にはカニコウモリ、ギンリョウソウ。暗い山道の代表格が幅を効かす。 五合目の大滝の頭を過ぎて少し行くと、急に木が低くなる。正面には小仙丈ヶ岳が見えてくる。花は、ツマトリソウ、ゴゼンタチバナ、タカネグンナイフウロウ、シナノキンバイ...。だいぶ高山らしくなってきた。 |
小仙丈ヶ岳からは展望の効く岩稜を伝う。行く手には仙丈ケ岳、振り返ると甲斐駒ケ岳が見える。左には北岳、鳳凰三山が見えるはずだが、今日はあまり天気が良くない。花は、ヨツバシオガマ、チングルマ、コイワカガミ、アオノツガザクラ、コケモモ、イワベンケイ。視界の悪い日は、花を楽しむのが基本。ここは高度と共に綺麗に植生が変わり、わかり易い。 |
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山頂で少し休憩の後、直下の仙丈小屋に向かう。仙丈小屋はカールの底にある。展望は良くないが、周りが峰に囲まれて、上を歩くハイカーの様子が手を取る様にわかる。14:00前に着いて、昼から仙丈の峰を肴に酒盛り。と言ってもここは高度3000m。わずかな酒であっという間に酔ってしまった。 |
翌日、仙丈小屋から東の峰に登り、ご来光を拝む。山小屋に一泊したのもこのご来光が見たかったから。さらに右に目を向けると鳳凰三山、その右に富士、北岳、間の岳と連なる。こんな景色が見られるから山は止められない。 |
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小屋に戻って、朝食の後、山頂に向かう。30分弱で山頂。昨日とはうって変わった快晴である。雲ひとつない。南アルプスの全山が見渡せる。上の絵は北岳、間の岳、その直ぐ右は荒川三山。赤石岳は塩見岳と重なっている。ゆっくりしたいが、北沢峠のバスの時刻を考えて、30分ほどで下りにかかる。 |
正面に甲斐駒を見ながらの下り。景色がさわやか過ぎる。今日は花どころでない。ガレ場の下りから、ハイ松の林、木は徐々に高くなり、道は鬱蒼とした森の中に戻っていった。北沢峠に着いたのは11:00前。予定では12:00着だった。次のバスは13:00。「なまけものハイカーカミさん」に「何でせかしたのよ。もっとゆっくりできたのに...。」と、怒られてしまう。ゆっくり昼食のインスタントラーメンを食べてバスを待つ。 |