タイトル 百名山 1898m 登山日:2011年6月27日

「天気がよければ、太平洋と日本海が同時に望めるハズ。」

現在は羊蹄山(ようていさん)が一般的な呼称だが、昔は後方羊蹄山と書いてシリベシ山と読んでいた。難読である、第一どこが「シ」でどこが「リ」であり「ベ」で「シ」であるかもわからない。どうやら「後方」が「シリベ」で、「羊蹄」が「シ」らしいが、そんなことは誰がわかるだろうか?
地元の倶知安町が変更を求め、昭和44年の地形図から書き換えられ、現在の名前になった。深田久弥は「この山を単に羊蹄山と略して呼ぶことに私は強く反対する。」と「日本百名山」に書いている。百名山踏破を目指すなまけものハイカーは深田久弥の意見に従い、「後方羊蹄山(シリベシヤマ)」と呼ぶ事にした。
ニセコから撮った後方羊蹄山
ニセコから撮った後方羊蹄山
上手い具合に花をバックに撮れた
行 程
羊蹄山登山口 5:50
二合目 6:45
六合目 8:45
九合目 10:30
羊蹄山頂 12:20
九合目 14:00
羊蹄山登山口 17:20

難易度 ★★★★
行程時間(含む休憩) 11時間30分
駐車スペース 比羅夫登山口
トイレ 登山口
登山口 わかりやすい
帰りの温泉 ニセコ昆布温泉
お勧め度 ★★★★
<所感>
高度差1550m。日帰り登山では、なまけものハイカー夫婦にとって限界ギリギリの高度差であった。休憩のとり方、栄養の補給、準備体操などで慎重な登山を進めた。お蔭で、当日は何事もなかったが、夫婦共に、3日後に階段を下りるのにも激痛を覚えるようになった。山に登って筋肉痛になるのは何年かぶりの事だった。

   比羅夫登山口の駐車場


前日は、ニセコ昆布温泉に宿泊。比羅夫登山口の駐車場についたのは5:30。かなり大きな駐車場だ。でも、ここも一杯になる事があるらしい。「一杯のときは少し下の半月湖の駐車場に停めてくれ」というような立て看板があった。

  二合目

しばらくは緩やかな登り、高度を稼ぐにつれ、勾配が少しずつ急になる。これは富士山型の山では共通のこと。植物も高度を稼ぐにつれ少しずつ変わっていく。はじめはニリンソウ、スミレなど、低山で見る花が目立つが、やがてウコンウツギ、マイズルソウシラネアオイなど、亜高山で見る花。

  九合目


木も少しずつ低木になり、森林限界に達したところが九合目。ここからは本格的な高山植物。イワベンケイ、キバナシャクナゲ、エゾツガザクラ、イワウメ、メアカンキンバイ。
遠くを見ると雲間に下界が見える。ここから右回りの周回コースをとる。

  山頂へ向かう道。素晴らしいメアカンキンバイとイワウメのお花畑

しばらくすると外輪山に達する。独立峰だ。風が強い。山頂で昼食と思ったが、万一風除けが出来ない場合を考慮して、山頂少し手前で風を避けられる岩陰を見つけて摂る事にする。(結局そんな事をする必要はなかったが...)

  山頂と雲海

残念な事に下界は雲で覆われあまり見下ろすことはできない。ポッカリと洞爺湖周辺だけ雲が切れていた。

   岩場の登り下り


山頂からは、岩場を登り下りするややシンドイコースが30分ほど続く。もし早く山を降りたければ、山頂からもと来た道を戻る事を勧める。

  山小屋の跡らしきところ
岩場を切れて10分ほどで、避難小屋/真狩コースへとそのまま外輪山を歩くコースとの分岐になる。ここでちょっとミスをする。予定は避難小屋に向かうことにしていたが、勘違いをしてそのまま外輪山を歩いてしまった。
後方羊蹄山の登山バッジは避難小屋で売っていたようだった。山を降りて周囲をかなり探したが、バッジを売っている場所は見つからなかった。百名山でバッジを買い損ねたのは、早池峰山しかなかったので、ルートを間違えたことが、返す返すも残念だ。
さて、避難小屋を左に見下ろしながら歩くと、昔の小屋の跡らしき場所に到着。ここで、外輪山と分かれて下りに着いた。
山を降りたのは17:00過ぎ。ほぼ12時間の山旅だった。

今日の泊まりは登別温泉。地図ではさして遠くないように見えたが、着いたのは19:30過ぎ。地図で近くに見えても実際には遠い。さすがは北海道だ。