行程
カメラを向けても黙々と草を食べ続ける鹿 塔ノ岳から雲海上の蛭が岳方面を眺める 目の前までせまる雲の滝 |
いつも書くように「なまけものハイカー」の出発は遅い。7:40に家を出る。9:15に秦野駅についた。さすがに少し遅いかなと思っていたら、何とヤビツ峠行きのバスは9:20が最終だった。バスのスケジュールも調べずに来たのにラッキーとしか言いようがない。 約1時間バスに揺られて、ヤビツ峠に着く。 ここから富士見山荘まで20分は車道歩き。富士見山荘に立ち寄る。2年半前、二の塔からの下りで妻が手首を5針縫う怪我をしたが、その時いろいろとお世話になったので、お礼に寄ったのだが、その時と従業員が変わっていた。2年半も置かずもっと早く来るべきだったと後悔する。 ここから二ノ塔までは標高差400m強の一気の登り。ひと汗掻いて、そろそろ休みたいと思ったところに山頂があった。山頂はあまり広くはないが複数のベンチがあり、景色も悪くない。しかし、今回のコースは絶景と言える様な山頂に次々と登るので、まあここはほどほどに、少し先に見える三ノ塔に向う。 明るい尾根道を歩く。道の脇にはスミレが咲き、顔を上げると少し葉が出てきたヤマザクラが歓待してくれる。 二ノ塔から三ノ塔へ続く尾根道のヤマザクラ 三ノ塔山頂は広くゆったりとしており、眺めは絶景。南に相模湾を臨み、東はどこから見てもカッコいい大山。西は富士山。今日の富士は雲海の上に見える。 これから行く烏尾山が眼下に、そしてそのまま先に眼をやると、塔の岳の頂上にある大きな尊仏山荘までがはっきり見える。そこから先は雲がかかっている。ちょうど塔ノ岳が雲をブロックしているように見える。ここの山頂には立派な避難小屋があるが無人。このコースは要所に小屋と売店があるが、この絶景ポイントの小屋が無人というのは少し不思議。持ってきたラーメンで昼食を済ませ、烏尾山まで下る。親と子の会話が聞こえる。「せっかく登ったのに、あそこまで降りるの?」「山という字は、高いところと低いところがあるでしょ。」 なかなかうまい事を言うもんだと感心したが、これで子供が納得したとは思えない。私も小さい頃同じことをよく思った。いや、正確には今でも同じ事を思う。「橋でもないかな」 雲海に浮かぶ三ノ塔からの富士 30分ほど下って、烏尾山。ここからは相模湾がきれいに見える。空気が澄んでいれば大島もきれいに見えるはずだが、今日は霞がかかっていてそこまでは見えない。ここから新大日小屋まで200mほど登り返すことになる。標高差200mの山を登るのはたいしたことはないが、尾根道で200m登り返すのはかなりしんどい。息が切れて、足が重くなってきた時に新大日小屋に辿り着く。「こどもの日」ということもあり、こいのぼりを揚げている。その向こうに秦野の町並みが見える。ここの景色も悪くない。 新大日小屋前に揚げられたこいのぼり。その向こうは秦野市街 新大日小屋からはほぼ平坦な尾根道。途中で鹿の家族に出くわす。黙々と草を食べ、人間が近づいても逃げようともしない。あまりに人馴れしているのでカメラを向けたらカメラ目線で答えてくれるかなと思ったが、さすがにそんな事はなかった。最後にひと登りして塔ノ岳山頂に着く。 塔の岳山頂着は16:00。尊仏山荘を本日の宿としている人たちが目に付く。日本酒を片手に子供と景色を眺める親子。夕食の支度を始めるパーティもある。これから大倉尾根を下ろうとする人は何人いるだろうか? 山頂より西は雲海が広がっていた。蛭が岳、丹沢山は島のように雲の上に浮いている。鍋割山は雲の海に没していた。もう富士山は見えない。これから降りる大倉尾根を境に雲が滝のように落ちている。たぶん、下りは急に寒くなるだろう。 ここからはバカ尾根と呼ばれる、だらだら下り。予想通り、急に寒くなる。大粒の雨がポタポタと落ち始めて、雨具が必要になるかと思われたが、この尾根が天気の境目。運良く花立小屋からは晴れ側の地域を歩けた。 堀山の家辺りから暗くなり始め、登山口に着いたときには真っ暗になっていた。もう30分遅れていたらヘッドライトが必要になっていただろう。終バスを心配したが、大倉から渋沢までのバスは20:38まであり、心配する必要はなかった。 |