1756m 百名山 登山日:2009年5月2日
「尾平から見た祖母山の岩峰は壁のよう。見るものを圧倒する。」
麓に着くまで気楽に考えていた。早めに登り始めて下りたら高千穂観光でもと、思っていた。実際には、6:00前に出て、下山したのは15:30過ぎ。先入観とは恐ろしい、標高だけを見て完全に油断していたのだ。標高差1200m近くあり、日帰り登山を企図するなら「なまけものハイカー」夫妻の足ではほぼ限界のハズなのに。 ちょっと、甘く見すぎたかなと悟ったのは、登山口の尾平でこれから登る岩峰を見上げたときだった。ギザギザとした鋭い稜線を見上げた時、これは少々シンドイかなと予感した。 |
尾平のほしこがinnから見た祖母山 |
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行程
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前日、羽田から大分空港に下り、レンタカーで周辺観光の後、尾平の「ほしこがinn」に泊まる。山小屋並の施設と食事をイメージしていたが、出てきた夕食はすき焼き。部屋こそ、何人もの相部屋を前提に作られたものだったが、当日はゴールデンウィークの前日でゆったり夫婦一組で大部屋を独占できた。悪くない。 当日、4:30に起床、外は未だ暗い。朝食の代わりに宿に用意してもらった弁当を食べ終わった頃夜が明けた。目の前に、祖母山が連なる岩峰が見えてきた。壁のように眼前に聳えている。これは容易ではなさそうだ。 |
5:45に出発。登山口から15分で吊橋に出会う。登山道はここで2つに分かれる。そのまま真っ直ぐ沢沿いに進む黒金尾根ルートと吊橋を渡り直ぐ尾根に取り付く宮原ルート。計画では登りに宮原ルート、下りに黒金尾根ルートを使う予定だった。 ところがここの道標に、「宮原コース:一般向きです。自信のない方はこちらを往復してください。黒金尾根ルート:ややハードです。こちらから登ると景観が良いです。登りに使ってください。」と書いてある。山では登りにハードなルートを使うのが基本。 予定をその場で変更して登りに黒金尾根ルートをとることにする。宿で出した登山計画書とも、もちろん逆さまになる。まあいいか。 |
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吊橋から3回沢を渡り、30分ほどで尾根に取り付く。急騰が延々と続く。この山では、標高100m毎に標識がある。よく「何合目」という標識がある山もあるが、標高の方がわかり易い。 |
ちらほらとアケボノツツジが咲いているが、満開とは言えない。 |
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登山口から4時間で天狗岩への分岐点に着く。ここに「展望台」という道標があり、ちょっと行って見た。先は狭いピークになっており、見晴らしは最高だ。狭いだけにグルっと見渡して風景を楽しめる。 |
目の前に天狗岩、反対はこれから登る祖母山。 ここから尾根沿いに北に向かう。この尾根道は右側が切り立った崖、左側は緩やかな傾斜になっている。尾根道は左側に少し寄って取り付けられている。ところどころ右に「展望台」の道標があり、崖際に行ける道が取り付けられている。 |
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眼前に祖母山の山頂が迫ってきた。上の写真の切り立った崖の上が山頂。ちょうど今まで右側にあった崖が正面に来たような格好だ。 ハシゴにしがみつき、崖をよじ登って山頂を目指す。黒金尾根ルートを登りに使ったのは正解だろう。ここを下るのは少し怖い。 |
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山頂にたどり着いたのはほしこがinnを出発して5時間半あまりが経過していた。頑張っただけあって、山頂の眺めは申し分ない。ただ、春霞がかかり全体にぼんやりしているのは残念。西に阿蘇山塊。天下の阿蘇山が見下ろすように見えるのは少し寂しい。 |
東は傾山。ここから1日の行程と聞いているが、結構遠くに見える。 いつものようにゆっくり昼食を摂って、宮原ルートを下る。 |
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最初は滑りやすい黒土の急坂。少し下って九合目小屋。最近建て直したらしく環境に配慮された近代設備が光る。 |
ゆっくり尾根道を下る。相変わらず右側は崖だが、やや山頂南側より緩やかに見える。振り返って見る山頂も温和な山容になっている。 |
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この山はアケボノツツジで有名だが、あまり多くの花を見ることはできなかった。少し早いのかと思ったが、後でwebで調べたら4月の末に雪が降ってしまい、多くの花が落ちてしまったとのこと。上の画像は僅かに残った物。 |
九合目小屋から45分で六合目(1400m)の標識に出会う。地図では「宮原」と書いてあったが、そのような標識はなかった。ここから南にひたすら下る道になる。ただ、行きの黒金尾根ルートに比べて明らかに緩やかだ。途中、ツクシシャクナゲを見ることが出来た。 2時間で、行きに分かれた吊橋に戻る。そして、尾平のほしこがinnについたのは15:30過ぎ。ほぼ10時間の行程だった。 そのまま翌日の久住山登山の出発点、赤川温泉に向かう。 |