929m 1267m 二百名山
登山日:2009年4月5日
「 」
奥多摩の山の中でもさして高くない大岳山が唯一の二百名山に選ばれているのは不思議だった。だが、他の山から見てこの山を見分けられるようになって納得した。独特の山容をしており、どこから見ても目立つのだ。多摩川と秋川に挟まれたゆっくり高くなっていく稜線の中で、ここだけボコッと膨らんでいる。ちょうど前方後円墳のように平らな部分と突起の部分がある。遠く離れた埼玉の鴻巣あたりからでも、富士の直ぐ右にあるこの低い山を簡単に特定できた時にはちょっぴり感動した。 小さな頃から一番登った山の一つである。新田次郎の短編小説「山が見ていた」の中に自分が良く知っているこの山が出てきた時、とても嬉しかったのを覚えている。 春、花も少ない季節、またこの山に登ることにした。 |
陣馬山から見た大岳山 |
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行程
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7:00に田園都市線鷺沼駅で友人F氏夫妻にピックアップしてもらう。今日は、F氏夫婦、「なまけものハイカー」夫婦の4人の山行きだ。 多摩川に沿って下道を走る。沿道の桜は満開。今日はどこも花見で賑やかなことだろう。 ケーブルカー滝本駅に着いたのは9:00少し前だった。 さて、ケーブルカーに乗ろうと、切符を買おうとすると目の前でベルが鳴り、ゆっくりと登っていってしまった。次まで20分。待つのならと、予定を変更し、参道を登ることにする。 |
よく整備された杉の木の間を舗装された道がゆっくりと標高を稼ぐ。登るのは我々だけ。ここは結構メジャーな山なのにひっそりとしている。 |
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静かな参道から1時間強で、ケーブルカーからの道に合流する。急に賑やかな道になる。人も多いが、家も多い。ここが山の上とは信じられない場所だ。20分ほどで御岳神社に着く。参拝を終え、ここからが本当の登山道。 御岳山-大岳山の間はいくつかの道が取り付けられている。今日の行きはロックガーデンを経るコースを選ぶ。御岳神社から一気に標高差150mの下り。もう一度登らなければいけないと考えるとちょっぴり辛い。F氏の嫁さんの質問。「こんな急な下りをまた登るの?」「いいえ、ここからは緩やかな登りですよ。(延々と続きますが。)」 |
下りきったところが七代の滝。少々早いがここで昼食。「なまけものハイカー」にしては短い昼食の後、ロックガーデンに入る。入口に「御岳岩石園」と書いてある。「なるほどそれでロックガーデンか。」妙に納得してしまう。静かな谷川を縫うように山道を登っていく。沿道には花が...。と言いたいが、スミレしかない。花を見つけるのが得意なF氏の嫁さんが、ヨゴレネコノメを見つけてくれた。後は、ハシリドコロが少し。 木々はまだ緑をつけてない。若葉の季節ならば、緑のトンネルになり気持ちよさそうだ。 |
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七代の滝から45分で綾広の滝。糸のように細い水流が、岩を這うように流れている。ここがロックガーデンの終点。 道は沢からはなれ、少し急になってきた。 |
30分で芥場峠。ここから尾根歩きになる。目の前に少し高いピークが見えてくる。山頂はその向こうだが、あの高さより高く登るのかと思うと少しうんざりしてくる。 当初、ケーブルカーに乗るつもりだったのを参道を歩いてしまった。七代の滝までに150mくらい下っている。そんなこんなで1000m近い標高差を登るコースになっている。少々バテてきた。 |
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ピークを左に巻くように道は進む。少し鎖場があり、その先が大岳山荘だった。だが、どうも営業している様子はない。後で聞いたのだが、管理人が山を降りてしまったようだ。2003年の8月に来た時には自家製のラッキョウを食べさしてもらった。あの時の親切なおばさんはどうしているだろうか? |
山荘からは一気の登り。20分弱で山頂に着く。 山頂はあまり広くない。南面、西面が開けており、丹沢方面から富士山まで見えるはずだが、今日はあまり天気が良くない。近くの御前山、三頭山までしか見えなかった。 持ってきたオレンジを4人で食べて、20分ほどで下りに着く。 |
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行き来た道をそのまま芥場峠まで戻る。芥場峠からの帰りは3通りのコースがある。一つめは行き来たロックガーデン経由。二つめは、尾根沿いのコース。三つめは中間のコース。中間のコースを通ればほとんどアップダウンなく御岳神社まで戻れるが、展望もなく、楽しみも少ない。行き来た道も通りたくないので、尾根沿いのコースを選ぶ。 急に踏み跡が少なくなる。道脇にカタクリの蕾を見つけた。もう2週間くらいで見ごろか? 軽いアップダウンの中、一番高いところが鍋割山だった。何もない静かな山頂だ。 |
さらに進むと、奥の院に着く。ここから尾根沿いの道と尾根から降りる道に分かれていた。踏み跡が少ないので躊躇したが右側の尾根から降りるコースを選んだ。急な下り坂で足にきているF氏の嫁さんが、何度かこけそうになる。ちょっと選択を誤った。20分ほどで、芥場峠からの中間コースと合流。 急にフラットなラクラクコースになる。そのままケーブルカー御岳神社駅まで戻る。 今回は、ケーブルカーを登りに使わなかったため、想定以上にきついコースになってしまった。山に慣れていない人もいたのに少し配慮に欠けた事を反省しなくてはいけない。 |