タイトル  1791m  百名山 登山日:2009年5月3日

「山域には別世界が拡がっていた」

九州本土の最高峰という栄誉には長い変遷がある。明治の初期、九州本土最高峰は祖母山だった。明治30年代になって、久住山が本土最高峰の栄誉を得る。この認識が戦後まで続く。これが深田久弥の時代。その後、隣の大船山の方が高いとされ、さらに今では、中岳が最高峰となった。
この山域に登ったのは過去2回。九州最高地点には一度も立っていない。1回目は30年近く前、赤川温泉から久住山まで辿りついたは良いが、深い霧に悩まされ、久住山から中岳に向かったつもりが、星生山に着いていた。2回目は10年前、長者原から入り北千里浜経由で久住山に登り、稲星山を経て坊ヶツルに向かった。この時も中岳を目の前にしながら、疲れからその頂に登る事を断念した。という訳で、中岳に登ることが今回の目標だった。
「久住」と「九重」どちらが正しいかという論争がある。今では、深田久弥の「日本百名山」にもあるように「...山群の総称を九重、その最高峰を久住...」と呼び分けられられている。
だから、今回のテーマを意識して、このページのタイトルは「久住山」とせず「九重山」とした。
天狗ヶ城と中岳
久住山から見た天狗ヶ城(左)と中岳(右)
行程
赤川温泉登山口駐車場 8:45
林道と合流 9:15
久住山山頂着 11:15
久住山山頂発 11:30
中岳着 12:15
中岳発 12:55
久住山 13:40
赤川温泉登山口駐車場 16:00

難易度 ★★★
行程時間(含む休憩) 7時間15分
駐車スペース 赤川温泉登山口駐車場(100台)
トイレ 登山口
登山口 わかり易い
帰りの温泉 赤川温泉 他
お勧め度 ★★★★

   赤川温泉の露天風呂

前日、赤川温泉に泊まる。目前に自然の滝が見える露天風呂が魅力。最近改装したらしく、建物も綺麗だ。宿泊費も安く、ちょっとお勧めの宿だ。
当日は宿の朝食を摂り、車を宿から200mほど下った登山者用駐車場に移して、登り始める。前日の祖母山は夜明け前に起きたのを考えれば、余裕の出発。

   最初は緩やかな登り

赤川温泉からのルートは南面からの久住山への直登となる。
最初は緩やかな登り。新緑の自然林の中をゆっくりと登る。やがて目前に2つのピークが見えてくる。どちらに登るのかなあと見ていると、やがて道は右のピークに向かう。

   目の前に見えてきた久住山

道は少しずつ傾斜がきつくなり、同時に滑りやすい黒土になる。
木の丈も低くなってきた。まるで3000m級の日本アルプスを登っているみたいだが、植生が違う。アルプスならハイマツかシャクナゲだが、どうも全部ミヤマキリシマのようだ。たぶん、あと半月もすれば全山ピンクに染まるに違いない。

  久住山頂の様子


久住山は見上げるようなレベルになってきた。この先は登れるのだろうかと思っていたら、道は目の前のピークを右に巻くように取り付けられていた。黒土から岩場に変わっていく。歩き難いことには変わりはないが...。
赤川温泉から2時間半で久住山頂に着く。

久住山から見た九重連山

山頂は広い。人気の山らしく、多数の人がたむろしている。
面白いのはここからの風景。ほとんど同じ高さの山が、半径数kmの範囲にずらっと並んでいる。数え方にもよるが、久住山も含めて九峰あるように見える。これが九重の謂れかもしれない。

この九重の峰々には木が生えていない。草もまばら。まるで他の世界に来たみたいだ。表現が良くないかもしれないが、もし地獄があるとすれば、こんな風景かもしれない。
遮る物が何もないので、ゾロゾロと登ってくる人が遠くまで見える。

   御池と中岳

今日の目的地点は中岳。15分ほどで久住山頂を後にする。
ここは、木もなく、草も少ない。だから、何処が道かもわかり難い。でも、何処でも歩けてしまうので、目標さえ見えていれば、道を間違ってもたいした問題にならない。しかし、視界が悪くなると、簡単に道をはずしてしまう。30年近く前に道に迷ったのはそのためだった。

   中岳山頂


今日は天気こそ芳しくないが、幸いなことに見通しは利く。
一気に、久住山を下り、空池の左を回り、御池を右に回って、Sの逆さまの字を描くように中岳に向かった。一時間ほどで中岳に着く。

中岳山頂は久住山頂に比べて狭く、人も少ない。
天気も悪くなってきた。40分で昼食を済ませ、久住山に戻ることにする。

  中岳から見た久住山


行き来た道をそのまま戻る。久住山に着く頃に雨が降ってきた。山の上特有の細かい粒の雨だ。雨具の必要はなさそうだ。山頂は先刻と違って、人影もまばらになっていた。
雨が本格的になれば厄介な下りだ。岩場も黒土も滑りまくるに違いない。休まず赤川温泉までそのまま下りる事にする。
下の景色は見えている。標高が下がれば雨は止んでいるだろう。でも、雲もどんどん下がってきているので、雲との競争になりそうだ。
運良く下まで雨具のお世話になることはなかった。そのまま駐車場に戻り、今日の泊まり、黒川温泉に向かう。