2578m 百名山 登山日:2008年8月15日
「山あり、森あり、池あり、変化に富んだトレッキングを楽しめる」
何処にでもありそうな名前だが白根山と名の付く山は案外少ない。小学校の頃、日本で2番目に高い山は白根山と習った。南アルプス、北岳/間の岳/農鳥岳の三座、白峰三山の別称である。群馬の草津白根山、そして日光白根山。他に新潟県三条市にあるのみ。しかし前三座は百名山に名を連ねる名峰。偶然とは言えよくもこれだけ凄い山が揃った物だ。 「日本で2番目に高い山は白根山だって?シラネえなあ」と言われるのがオチ。北岳の方が名前が通っている。この中でもっとも有名な「白根山」は日光白根山だろう。 2008年7月に皇海山に登った帰りに寄った蕎麦屋で面白いパンフを見つけた。「宿泊登山パック」(1泊2食+お弁当+日光白根山ロープウエイ往復券+下山後の温泉パック付)。 楽して計画、楽して登れそうなパック。まさに「なまけものハイカー」のためにあるパックではないか。迷わず翌月、尾瀬の帰りに泊まる事にした。今回の日光白根山行きのきっかけである。 |
3つに割れた日光白根山 |
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行程
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前日、尾瀬から降りてきた後、丸沼高原ヒュッテで一泊。典型的なスキー宿だが、温泉もあり値段も安いのでお勧め。久々の下界の食事を満喫。 翌日は7:00朝食で7:30始発のロープウエイにあわせて宿を出る。標高1400mの山麓駅から一気に2000mまで登る。山頂駅は足湯、高山植物を植えたロックガーデン、軽いトレッキングを楽しめるように縦横に山道が取り付けられたコースもある。手軽に山の自然を満喫できるエリアになっていた。 登山口にある二荒山神社(「ふたらさんじんじゃ」と読む)で登山の無事を祈って出発。 |
最初は幅の広い緩やかな林間の道。トレッキングエリアになっており、誰でも普通に歩ける道になっている。大日如来を過ぎて七色平への分岐からトレッキングエリアを離れ、登山道になる。とは言っても、良く整備されており危険ヶ所はない。多くの子供づれが山頂を目指している。標高の割りに手軽に登れる山なのだ。 森の中、カニコウモリが何処まで行っても道脇にある。 そうそう、山道の真ん中にスノーボードが落ちていた。 どういうシチュエーションでここに捨てられたのか?いろいろ想像してしまう。 |
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木が低くなり、森林限界を越えると、いろいろな花が目に付くようになる。ハクサンフウロウ、ヒメシャジン、トウヤクリンドウ、シラネニンジン。ハンゴンソウの黄色い花が斜面を覆う。 |
大日如来から2時間弱で山頂。天気が悪く見通しが利かない。そのため全体の地形がイメージできない。いくつもの火口があり、その外輪山に小さなピークが多数。かなり複雑な山形をしているようだ。一つのピークが山頂になっていた。その山頂はせまくハイカーも多いので、少し戻って適当な場所で昼飯。 |
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当初の予定は、弥陀が池方面に下りそのままロープウエイ山頂駅に戻る予定だったが、ちょっと物足りない。予定を変更して五色沼に向かう。この寄り道は正解だった。急にハイカーの姿が減る。五色沼まで足を延ばす人は少ないようだ。外輪山を少し歩き、石ころだらけの急坂を下りる。マルバダケブキの斜面の向こうに五色沼が見える。 |
標高差400mくらい下り、樹林帯に戻ってきたところが小さな原になっていた。目の前で数頭の小鹿が草を食んでいる。人間は害を加えぬ生き物と理解しているらしい。10mまで近づいても逃げようとはしない。 |
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鹿を横に見ながら少し行くと、五色沼の湖畔に着く。漠とした火口原の真ん中に沼がある。左には今下りてきた白根山が聳え立っている。西から見た山頂は3つに割れているが、こちらから見ると2つに割れている。 ここで本日のおやつ、桃の缶詰を開ける。 五色沼から分かれて左に山頂を見ながら歩き続ける。 100mほど登り返すと、またも火口原のような場所、その先が弥陀ヶ池になっていた。弥陀ヶ池から少し登って座禅山との分岐を過ぎると暗い森林帯に入り急な下りになる。どこまで下るのだろうと思った頃、七色平の分岐につく。 |
ここからは始めに歩いたトレッキングエリア、良く整備されたなだらかな道が続く。エリアの中に展望台があり、登ってみることにする。木の間から山頂が見えるようになっているが、ちょうど山頂だけ雲がかかって見えない。ここまで来て、このまま帰るのは少しもったいない。雲が切れるまで待つこと20分。ようやく見えてきた3つに割れる山頂。思わず何十回もシャッターを切ってしまった。 展望台から少し歩いて、ロープウエイ頂上駅に着く。ロープウエイで下界に下りて前泊したシャレー丸沼で温泉に垢を落として帰路に着く。 今回のコースは、展望こそ効かなかったが、森林帯、森林限界を超えた砂礫地、複雑な外輪山、沼と池、鹿が草を食む原と変化の多い山行きを楽しめた。ちょっとお薦め。 |