この山を単独で登る人は少ないだろう。雲取山から1時間強。ここまで登るのであれば、当然雲取山を目指したくなる。実際インターネットで「七ツ石山」で検索をしても、ほとんど雲取山の通り道として登場する。たまに七ツ石山単独の山行きレポートが出てきても、カッコつきで「雲取山悪天候で断念」なんて書いてある。
自分はと言うと、鼻から雲取山は1泊コースの山と決め込んでいた。七ツ石山に登ってみて、意外に雲取が近いのに驚いた。これならもう少し早出をすれば足の遅いなまけものハイカー夫婦でも雲取山日帰りも狙えそうだ。
とはいえ、この山を単独で登るのは物足りないと言うわけではない。充分楽しめる山だ。展望は数多い奥多摩の山でもトップクラスだった。雲取山に充分匹敵するだろう。
梅雨明け間際、本格的な山行き前の足慣らしにこの山を目指した。
<所感>
今回のコースは標高差1200m。結構あるが、それほどきつい山行きにはならなかった。このコースの特徴だと思うが、緩い一定の勾配の上り坂が山頂近くまで続く。その坂は、石が少なく非常に歩き易い。足慣らしにはもってこいかもしれない。
登りが単調なだけに、コース全体の変化が少ないのが弱点。 |
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七ツ石山頂から見た雲取山 |
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行程
留浦駐車場 |
8:30 |
小袖乗越駐車場 |
9:15 |
堂所 |
11:05 |
七ツ石小屋 |
12:20 |
七ツ石山頂着 |
12:55 |
七ツ石山頂発 |
13:40 |
堂所 |
15:00 |
小袖乗越駐車場 |
16:10 |
留浦駐車場 |
16:40 |
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難易度 |
★★★★ |
行程時間(含む休憩) |
8時間10分 |
駐車スペース |
留浦駐車場 30台
所畑駐車場 30台
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トイレ |
留浦駐車場 七ツ石小屋 |
登山口 |
わかりやすい |
帰りの温泉 |
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お勧め度 |
★★★★ |
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6:00に家を出て、上野原インターから鶴峠経由、奥多摩湖畔に。ここから小袖乗越の駐車場を目指す予定だったが、林道に入る道が妙に狭い。こんな狭い林道を走るのは御免と奥多摩湖畔の留浦に車を停める。
実際には林道入口が狭いだけで、その奥は普通の道だった。こんなんなら小袖乗越で行くのだった。と後で後悔。 |
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留浦駐車場から小袖乗越駐車場まで40分。下りは30分かかったので都合1時間10分ロスってしまった。登山口は駐車場から200mほど行ったところ。 |
登山道は山の斜面に少しずつ高度を稼ぐように取り付けてある。岩が少なく、滑るようなところも少ない。狭いが歩き易い道だ。ただし、急斜面に取り付けられた道。一歩足を踏み外せば、大怪我するだろう。特に下りは飛ばしてしまいそうなので注意した方が良いだろう。 |
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ここの登山客は非常に親切で、下りの人はかなり手前から登りの人に道を譲ろうと待ってくれる。親切はいいのだが、迷惑をかけないように、登りの人はピッチを上げざるを得ず、その度に息が弾む。
斜面の道が尾根に達したところが、堂所。 |
堂所からは尾根道になる。相変わらず、緩やかに登る道。50分ほどで分岐に着く。左に行けば七ツ石山を巻いて雲取山に向かう道。右に行けば七ツ石小屋を経て山頂に至る。 |
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分岐からはつづらの急登。なまけものハイカーカミさんの足がググッと落ちる。20分ほどで七ツ石小屋に着く。急斜面にムリムリ作ったような小さな小屋。最大のウリは真正面に見える富士だろう。小屋泊りで朝焼けに映える富士を観るのも良いかもしれない。 |
小屋から30分ほどで山頂。直下に壊れかけたお社がある。ここまでの無事を感謝して手を合わせる。 山頂は広く、展望が利く。丹沢/富士/飛龍/雲取山。富士の右側に大菩薩連嶺が見えるが、ちょうど杉の木が掛かっていて見にくい。 |
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富士にはわずかに雪が残っている。その僅かな雪が初夏を感じさせる。雲取は目と鼻の先、ここまでくればあそこまで、という気分になる近さだった。良く見ると丹沢の山の頂には雲がかかっている。梅雨の末期、この付近だけにj雲がない。奇跡のようだ。 |
山頂から雲取方面に下る。奥多摩の尾根で良く見られるが、幅の広い防火帯が設けられている。防火帯をまるでスキーのパラレルターンのように下る。 |
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下りきったところが大きな分岐になっていた。ブナ坂という。
真っ直ぐが雲取、右は日原方面に下る道。左が登ってきた小袖乗越に降りる道。もちろん左に進路を切る。 |
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往路に合流するまで30分。その先は、緩やかで一定の勾配の下り。一気に奥多摩湖まで下ってしまう。道は広くないのでちょっと油断して足を踏み外せば、しょうもないところで大怪我をしそうだ。
16:40留浦の駐車場に戻る。標高1700mの山頂では、日差しを受けても、心地よい風が吹き、暑さを感じなかったが、麓に戻ると、都会と変わらないうだるような暑さ。そこは盛夏になっていた。
帰りは小菅の湯に立ち寄る。
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