御正体山タイトル2145m 百名山 2012年10月7日

「どこまでも広がる湿原はなかなかの見ものかも。...天候さえ良ければ。」

特異な地形を地図で見て、その山形を想像しただけで、なまけものハイカーは心がときめいてしまう。急峻な山壁、その上に広がるほぼまっ平な地形。そこに広がる大湿地帯。いったい神様は、この不思議な地形をどうやって作ったのだろうか? 「・・・苗場だけはまるで鯨の背のようにその厖大な図体を横たえている。」、深田久弥は日本百名山の中で苗場山をこのように表現した。
過去、この山の山頂の草紅葉が見たくて、何度か山旅計画を立てたが、天候の都合などで何度も断念している。
この山は多くの登山道が整備されており、6方からアプローチできる。今回は最も距離の短い小赤沢ルートを選んだ。
友人のF氏、ME氏、なまけものハイカー夫婦の4人での山旅になった。
山頂の湿原
山頂に広がる湿原
三合目の駐車場
杉の巨木 丸太の滑り止め
鎖場
苗場山頂ヒュッテ山頂の様子
霧の中湿原を進む 山頂に広がる湿原
石神様
行程
三合目登山口 7:40
五合目 9:00
苗場山頂ヒュッテ 11:45
苗場山頂ヒュッテ発 12:45
三合目登山口 15:45

難易度 ★★★
行程時間(含む休憩) 8時間05分
駐車スペース 登山口に大規模駐車場 100台以上
トイレ 三合目登山口、苗場山頂ヒュッテ
登山口 わかりやすい
帰りの温泉
楽養館、萌木の里、他、
お勧め度 ★★★★

<所感>
・会津駒ヶ岳の桧枝岐と今回の秋山郷と、2回続けて前泊に民宿を選んだ。これが案外良い事がわかった。まず、夕食に地の珍しい物が出る。前回はサンショウウオの天ぷら。ここではクマとシカ肉のすき焼き。次に、登山者向け民宿であれば早い朝食を用意してくれる。なんと言っても値段が安い。宿に温泉がないことが不満であったが、昨今は日帰り温泉が増えており、民宿で割引も効いた。しばらく癖になりそうだ。

   切明温泉

前日、7:45に自宅でF氏にピックアップしてもらい、秋山郷に向かう、塩沢石打ICからとても国道とは思えない狭い山道、405号線を経て現地に着いたのは15:00過ぎだった。まず秋山郷最奥の切明温泉に向かう。河原に湧いている温泉で、自分でスコップで穴を掘って湯船を作って楽しむ温泉と聞いて楽しみにしてきたが、脱衣所も洗い場もない本当の河原。実際に浸かるのは相当の勇気がいる。まあ足湯と思った方が良いだろう。

   三合目の駐車場

今日は少し戻って朝の登山口に最も近い小赤沢の民宿「苗場荘」に泊まる。
翌朝、6:30に朝食。少々トラブルがあって、登山口についたのはは7:40だった。ここの駐車場は100台は軽く停められそうな規模がある。たぶん満車になる事はないのではないか?
身支度を整えて山道に入る。

   鎖場

ここの山道は湿っていて滑り易い。五合目と六合目の中間くらいから長い斜上のトラバースの急登になった。鎖場、ロープが、全部で長短13箇所あった。実際には本当に鎖/ロープが必要そうなのは数箇所だが、必要以上にそういうものが用意されているのはどこも同じ。

  霧の中湿原を進む

登りが緩やかになり、木々が急に消えてしまうと、頂の湿原地帯だった。残念な事にあまり視界は良くない。霧の中、緩斜面の木道を進む。

   石神様

途中、石仏に会う。いや良く見ると「天照大神」「猿田彦」などと書かれているので、石神か。
湿原は狙い通り赤く染まり草紅葉になっていた。季節はピッタリだったが天候がイマイチだった。地図で見て、航空母艦の甲板のようにまっ平らな山頂を想像していたが、軽い丘のような起伏はある。

  苗場山頂ヒュッテ

苗場山頂ヒュッテに着いたのは11:45.ここで昼食。
ヒュッテで登山バッジを買おうとしたが、売り切れだった。これはなまけものハイカーにとってはかなりのショック。
登っている間は全く気にならなかったが、座ってみると凍えるほど寒い。聞くと気温は5℃とか?雨具を着る事にする。私以外は防寒着を持ってきているが、私だけは雨具が最後の切り札。

  山頂の様子

ヒュッテから5分もしないところに山頂があった。まっ平らな広場である。立て札がなければ山頂とは気づかないだろう。
山頂の横は広くゴザが敷いてあった。後で調べてわかったことだが、ここについ数年前まで営業していた遊仙閣があったようだ。

   丸太の滑り止め

ヒュッテまで戻って、帰路に着く。
途中、雨が降ってきた。滑る道に雨。みな泥だらけになりながら、下ってゆく。

   杉の巨木
ここの山道には上の写真のような細い板を打ちつけた丸太の輪切りが埋められている。滑り易い湿った道なので助かるが、油断すると横滑りしてしまう。
駐車場近くまで下りると、平地にあればしめ縄がつけられ神木として崇められそうな杉の巨木が何本かあった。
駐車場に戻ったのは15:45。
萌木の里の日帰り温泉に寄る。ここでも、登山バッジがないか聞いた。「山頂で買ってくれ」との答え。「売り切れだった」というと、「今日はそれで何人にも同じ事を聞かれるのね」と納得していた。同じ事を聞くなんて、「バッジは山頂になければ温泉で探す。ハイカー皆同じ事を考えているのだな」とこっちも納得。
関越道を戻って家に着いたのは23:00過ぎだった。ドライバーのFさんご苦労様でした。
翌日は泥だらけの山具の洗濯、手入れに専念。
今回は、天気が思わしくなく気持ちの良い湿原ハイクとは行かなかった。天候の好い日を狙っていずれまた挑戦したい。