御正体山タイトル2132m 百名山 2012年9月16日

「ここへ行くなら中門岳まで足を延ばさないともったいない」

1998年からコツコツと日本百名山に挑戦してきた。登ってない山は残り15座。未踏の山はポツンポツンと日本地図上に点在するが、ごそっと、まとめてあるエリアがある。会津駒ヶ岳、平ヶ岳、魚沼駒ヶ岳、巻機山、苗場山。関東国境の北側に点在する山々だ。多くは、関東から行こうとするとアプローチが難しい。「いつでも登れる」と言い訳をして、今まで手を出さないでいた。
もう一つ、共通の特徴がある。山上がなだらかな丘、湿原になっており、気持ちの良い山歩きを楽しめる。険しい岩峰をよじ登る北アルプスと全く違った世界がそこにはあるはずだ。
まずは尾瀬から何度も見た馴染みのある会津駒ヶ岳に登ることにした。9月半ばの三連休。夏山と紅葉の狭間で、山行きとしては中途半端なこの時期に。
駒ノ小屋前から望む会津駒ヶ岳山頂
駒ノ小屋前から望む会津駒ヶ岳山頂
中門岳の道標中門岳北端
鏡のような池塘
オヤマリンドウ
会津駒ヶ岳
西側のパノラマ
山頂近くから中門岳方面を望む会津駒ヶ岳山頂
駒ノ小屋前から望む会津駒ヶ岳山頂 駒ノ小屋
もうすぐ駒ノ小屋
林道終点にある登山口
行程
林道終点 7:10
駒ノ小屋 10:30
駒ノ小屋発 11:00
会津駒ヶ岳 11:25
中門岳着 12:05
中門岳発 12:40
駒ノ小屋 13:40
林道終点 15:40

難易度 ★★★
行程時間(含む休憩) 8時間30分
駐車スペース 登山口までの道沿いに100台分
トイレ 駒ノ小屋
登山口 わかりやすい
帰りの温泉
桧枝岐温泉
お勧め度 ★★★★

<所感>
・桧枝岐は深田久弥が登った時代には「日本一の山奥の部落」と称されていたようで、アクセスに苦労する。今回は車で現地に向かったが、往復共に7時間以上かかった。ここに行くには鉄路を利用した方がまだ賢いようだ。
・今回泊まった民宿コマドリのような登山者向けの宿を選べば、「早い朝食」「林道終点まで車で送り」などもしてもらえる。
・百名山ハンティングをしている人も、ここに来るのであれば、中門岳まで歩くべきだ。この山のメインは駒ヶ岳山頂から中門岳までの草原状の湿地帯なのだから。

   サンショウウオの天ぷら

7:30に家を出て、車で東北自動車道西那須野塩原IC経由、桧枝岐に着いたのは15:00だった。あとで聞いた話だが、浅草12:30の電車に乗った人が16:00に着いていた。三連休初日と言うことで渋滞が利いているが、電車の方が遥かに早い。
登山口の50m手前にある民宿「こまどり」に宿泊。綺麗なこざっぱりした民宿。夕食に工夫が凝らされていた。特にサンショウウオの天ぷらが印象的。何気に食べてしまったが、改めて上の写真のようにアップで見ると、少々グロい。

   林道の終点にある登山口

翌朝、5:45に朝食。(朝早い朝食を食べられる宿を選んだ。)早々に宿を出る。
登山口から林道終点まで車で登る。既に、終点からズラッと縦列駐車が続いている。前日下見をしてガラガラだったので安心していたが、どうしてこれだけの車が停まっているのだろう。500mほど下ったところに路駐。
10分ほど歩いて林道終点の登山口へ。
ここの登山口はちょっと面白い。階段になっており「これから出発」という感じが出ている。

   もうすぐ駒ノ小屋

登山口からはひたすらの登り。標高差1000mクラス。だが、急登でもなく、道も乾いており滑り難い。30分に一度休憩を入れて、慎重に歩を進める。
3時間後、木道が現れる。登りが緩やかになり、急に見晴らしがよくなった。ほどなく、駒ノ小屋が見えてくる。右に見える丘が会津駒ヶ岳だ。

  駒ノ小屋

駒ノ小屋の前にベンチがあり、そこで大休止。大きな池塘があり、その向こうの丘が会津駒ヶ岳。
30分休んで、会津駒ヶ岳に向かう。

   会津駒ヶ岳山頂

山頂はクマザサで覆われていた。無理やりササを刈って、小さなベンチがおいてあった。あまり面白くないので、記念写真だけ撮って中門岳に向かう。

  山頂近くから中門岳方面を望む

山頂から1分でなだらかな稜線を目にする事が出来る。ここからが会津駒ヶ岳の山旅のメインだった。もしこの先を知らず、駒ヶ岳の山頂だけを往復した人がいたら、もったいないとしかいいようがない。
   西側のパノラマ

山上の草原を歩くのは実に気持ちよい。どこまでもいつまでも遠くの山なみが見える。上は駒ヶ岳山頂から少し下りた所から見た西側の山々。南に奥白根を盟主とする関東の山々もみえていたが、雲が多く、カメラに収める前に視界から消えてしまった。関東は雨だろう。

  鏡のような池塘

それにしてもこんな山の上にどうして豊富に水があるのだろう。池塘の保水力はたいしたものだ。

   中門岳の道標

中門岳の道標の前も大きな池になっていた。「中門岳(この一帯を云う)」と書いてある。頂の目の前に池、稜線がなだらかで、水が豊富な証拠。

   中門岳北端

道標から7分で中門岳山頂(?)北端に着く。ここは湿地帯、草むらに座ることは出来ない。皆、木道に腰掛けて、昼食を食べていた。
帰りは同じ道を戻る。そうそう、9月ともなれば、花はかなり限られてくる。目立つのはオヤマリンドウ、タテヤマリンドウと言ったリンドウの仲間。

  会津駒ヶ岳

歩き易い道だ。復路は(なまけものハイカー夫婦にしては)飛ばしに飛ばした。林道終点に戻ったのは15:40だった。日帰り温泉「燧の湯」に入り、夕食に地元の名物「裁ちそば」を食べて、桧枝岐村を後にしたのは17:30。家に着いたのは翌日0:30。往復共に7時間以上かかっている。やはり車で行くのは賢くない。遠い。