三年半、大阪から単身赴任で東京に来ていた山仲間、M氏が帰阪することになった。最後にとっておきの山行きをプレゼントしようと、この山へのトレッキングを企画した。
周りと比べて決して高くない山である。南東には金峰から国師岳まで秩父の一番高いところが並んでいる。北西は八ヶ岳。どちらもこの山から見上げる山になる。第一、隣の小川山でも200m近く高い。
そんな瑞牆山が百名山に選ばれているのはその特異な岩峰による。下からこの岩峰を眺めると。「果たして登る事が出来るだろうか」と誰もが不安に怯えるだろう。実際にはうまく登山道がつけられており、簡単に登れてしまう。登山道が山頂の手前で回りこむように取り付けてるのはそのため。
☆☆所感☆☆
この山が東京から日帰りできる最高クラスの山であることはわかっている。12年前に登った事があり、その眺望、山の姿に感動した。しかし、日帰りするにはちょっと遠い。片道3時間、往復6時間。一泊するほどロングなコースでもない。要は中途半端なのだ。それが、ここを訪れる事を躊躇してしまう唯一の理由。 |
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山頂の隣にある大ヤスリ岩を下から見上げる |
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行程
瑞牆山荘 |
10:55 |
富士見平小屋着 |
11:50 |
富士見平小屋発 |
12:15 |
天鳥川渡河地点 |
12:40 |
瑞牆山頂着 |
14:45 |
瑞牆山頂着発
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15:00 |
天鳥川渡河地点 |
16:35 |
富士見平小屋 |
17:10 |
瑞牆山荘 |
18:00 |
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難易度 |
★★★ |
行程時間(含む休憩) |
7時間50分 |
駐車スペース |
瑞牆山荘付近に20台、少し林道を登った地点に100台(それでも連休は満杯) |
トイレ |
瑞牆山荘傍、富士見平小屋 |
登山口 |
わかりやすい |
帰りの温泉 |
増富温泉 |
お勧め度 |
★★★★★ |
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今回のメンバーはF氏、M氏、なまけものハイカー夫婦の四人。6:00にF氏にピックしてもらう。調布ICから中央高速に乗ったが、小仏トンネルまで渋滞。瑞牆山荘に着いたのは10:50だった。ここは結構な規模の駐車場があるが、当然この時間だと満杯だった。山荘から少し北に下って、道脇に車を停める。 |
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瑞牆山荘から富士見平小屋までは、直登の山道とSの字に登る林道がある。前の経験では、林道の途中で瑞牆山を真正面に見る事が出来た。これを帰りの楽しみにとっておいて、直登ルートを選ぶ。直登ルートは枝道が多く、選択に迷う。結局同じところに着くのではあると思うが...。 |
富士見平小屋の少し手前、針葉樹の林間から山頂が見えてくる。M氏の言「アルプスの絵みたいだ」。
瑞牆山荘から1時間弱で富士見平小屋。 |
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ここは登山口からさして遠くなく、山小屋を置く場所としてはやや中途半端にみえるが、瑞牆山をピストンして、さらに金峰山他の奥秩父の山を目指すとなると絶好のポイントととなる。そのため、意外に宿泊客も多そうだ。
我々はここで昼食になってしまった。 |
昼食後、北に進路をとる。しばらく軽い登り、その後、軽い下りで天鳥川に着く。この間の印象はあまり濃くない。自分のイメージでは10分くらいで川についたように思ったが、30分くらいかかっていた。 |
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川を渡ると、本格的な登りになるが、その前に不思議な物を見る。大きな岩を細い何本もの枝が支えるように立てかけている。支えるにはとても効果はなさそうだ。何のためにこんな事をしていたのだろうか? |
ここからは物凄い急登。あまりの急登になまけものハイカーカミさんが太ももを攣ってしまった。槍でもなんともなかったのに....。
30分ほどマッサージをして、山頂を目指す。 |
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天鳥川から山頂まで2時間かかってしまった。
ここの山頂は絶壁の上だ。高所恐怖症の人間でなくても、這うように岩の淵に近寄り、下を覗きこんでいる。 |
覗き込んだ先には、さっき見上げた大ヤスリ岩。写真ではとても表わせない迫力ある光景が眼前に現れる。 |
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山の東側は、岩と少し色づいた紅葉。F氏曰く「今までいっしょに登ったなかで最高」。M氏、F氏とはこの3年で10回以上登っているのだが...。しかも今日はここの景色の60%くらいしか見えていない。直ぐ横の八ヶ岳も、南に見える富士もない。が、充分満足できる眺めだ。 |
下りはもちろん急降。上の写真のように、岩をくぐらなくてはいけない箇所もある。
登りだしたのが少々遅かった。富士見平小屋に着く頃には、暗くなりかけていた。予定通り林道を下りることしたが、道がわからない。小屋の主に聞くと、「山道を下りていくと『林道』の道標があるか見落とさないように」とアドバイス。夕食の盛り付けをしながらだった。超忙しい中、親切なアドバイスに感謝。 |
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林道に入ると、さっきまでいた山頂が霞の向こうに見えた。天気がよければ素晴らしい岩峰が眼前に見えるはずだ。
林道を下っていくと、日はどっぷり落ちてしまった。ヘッドライト頼りの下り。下りに山道を選ばなかったのがせめてもの救い。
帰りは、増富温泉に浸かるつもりだったが、遅すぎて、日帰り温泉不可の時間になってしまった。、 |