御正体山タイトル2017m 百名山 登山日:2013年2月10-11日

「初めての冬山小屋泊。そこには夏山と違う世界が広がっていた。」

1月20日に大山で雪山ハイクを楽しみ、その楽しさに味を占めて、今度は雪山小屋泊をトライした。
場所は奥多摩の最高峰、雲取山。要所に避難小屋があり。比較的安全に登れる雪山としてこの山を選んだ。
登りは、鴨沢から。去年の夏に七つ石山までは登っており、どんなコースかイメージできる。
下りは、石尾根を奥多摩駅まで縦走する事にした。ロングコースだがエスケープルートが多く、いざと言う時の対応が容易だ。
前回の反省から、6本爪のアイゼン、防水性の手袋、耳を覆う帽子、スパッツ、ストック(なまけものハイカーはストックを普段使わない)を準備。
初めての冬山泊と言うことで、いつもより余計に着替え、予備食を増やすなどしたため、夏山小屋泊の3泊分くらいの重量を背負うことになってしまった。
七つ石山から見た雲取山
七つ石山頂から見た雲取山
山荘前から見たご来光朝陽を浴びる雲取山荘
雲取山頂 山頂から見た飛龍山方面薄っすら見える富士
奥多摩避難小屋
見晴らしの良い防火帯の尾根道 名物「曲がった木」七つ石方面 七つ石山から見た雲取山七つ石山頂
ブナ坂 鷹ノ巣避難小屋 大菩薩連嶺と薄っすら見える富士御前山 大岳山 御嶽山
ゲレンデのような尾根道 六つ石山頂
堂所 雪の代わりに落葉が 天益にて
祠に登山の無事を祈る
小袖乗越の登山口。皆ここでアイゼン装着
鴨沢バス停前(公衆便所もある)
行程
一日目
鴨沢 9:25
小袖乗越の登山口 10:00
堂所着 12:25
堂所発 13:00
ブナ坂 14:55
奥多摩避難小屋 15:40
雲取山山頂 16:55
雲取山荘着 17:15
二日目
雲取山荘発 6:55
雲取山頂 7:30
ブナ坂 8:55
七つ石山 9:20
鷹ノ巣山避難小屋 11:20
鷹ノ巣山着 12:05
鷹ノ巣山発 12:50
六つ石山 14:55
登山口 17:00
奥多摩駅 17:30

難易度 ★★★★
行程時間(含む休憩) 一日目:7時間50分
二日目:10時間35分
駐車スペース -
トイレ 各避難小屋、鴨沢、奥多摩駅
登山口 わかりやすい
帰りの温泉
--
お勧め度 ★★★★★

**感想**
下りに使った石尾根ルートについて。
雲取山荘に一泊して鴨沢に下りると奥多摩駅に昼前に着いてしまう。せっかくの小屋泊まりでこれでは少々もったいない。だからと言って、石尾根を奥多摩駅まで下りるのは、地図を見るだけで尻込みしたくなるロングコースだ。距離は約20km。
しかし、このコースは全てのピークに巻き道が取り付けられており、しんどければ、ピークを避けることができる。エスケープルートも豊富。
緩やかな尾根道で、防火のため木が伐られており見晴は格別。運がよければずっと綺麗な富士を楽しめる。
という事で、雲取からの下りに是非お勧めしたい。
登りに使う? うーん、ずうっとダラダラ登り、ここは登りには勧められません。

   鴨沢バス停前(公衆便所もある)

6:00過ぎに家を出て、奥多摩駅に着いたのは8:30少し前。8:35の西鴨沢行バスに乗る。増車があり2台になっていたが、2台ともほぼ満員だった。乗客の大半が鴨沢で下りた。みな雲取山に向かうハイカーだろう。
冬の奥多摩である。ガラガラのバスが終点まで向かう事を想像していたが、雲取山の人気は冬も夏も関係ないということか。

   小袖乗越の登山口

鴨沢から小袖乗越の登山口までは雪はなかった。登山口からは、白い山道が見えている。ここでスパッツとアイゼンを装着。

   祠に登山の無事を祈る

途中の祠で今日の無事を祈る。
日なたは土道。日陰は雪道が続いたが、だんだん土道が少なくなっていく。

  堂所


ほぼ雪道だけしかなくなったところが堂所だった。今日はここで昼食。
ここからカミさんの歩くペースがガクッと落ちる。足が攣ってしまった。まだ、今日の歩程の半分も登ってない。一時は今日は七つ石小屋までと覚悟した。マッサージ/ストレッチを繰り返しながら、ペースは遅いが、何とか前に進む。

   ブナ坂


ブナ坂からは、尾根道。

見晴らしの良い防火帯の尾根道

ここの尾根道は平で木が切られて防火帯になっている。お蔭で見晴がよく、気持ちの良い山歩が楽しめる。
緩やかな登りが続く。カミさんも、ゆっくり歩けば、何とかなりそうだ。

  奥多摩避難小屋

奥多摩避難小屋に着いたのは15:40。今日はここまでにすることも考えたが、頑張って雲取山荘を目指す。

  雲取山頂

雲取山頂では日が傾きかけていた。富士は、薄っすらと見えている。ちょっとだけ写真を撮って、雲取山荘に向かう。山荘に着いたのは17:15。「遅くなってすいません。」と言いながら木戸をくぐる。

  山荘前から見たご来光

二日目は5:30に朝食。日の出時刻の6:30。宿の前で楽しむ。

  朝陽を浴びる雲取山荘

7時少し前に出立。いつものことだが、かなり遅いほう。
寒い。手足の先がしびれてくる。東京の真ん中でも同じ格好で歩けるような、薄々の装備にちょっと後悔。

   山頂から見た飛龍山方面

雲取山頂南面の見晴は最高。東京一の絶景

  薄っすら見える富士

残念な事に富士山は薄っすらとしか見えなかった。

  名物「曲がった木」

今日は山頂から石尾根で奥多摩駅まで向かう。上はブナ坂の手前、名物「曲がった木」。

  七つ石方面

このコースの特徴の一つだが、全てのピークに巻き道がつけられている。これは雲取/七つ石/鷹ノ巣というようなメイン峰でも例外でない。さすがに、これらのピークを避けて縦走すれば何のための山行きかわからなくなる。巻かずに登る。

  七つ石山頂

雲取の次は七つ石。この辺りから人がガクッと減る。皆、七つ石山頂に寄らずに、鴨沢に向かったようだ。ここから見た雲取山は冒頭の写真のようになかなか。皆、ちょっともったいない。

鷹ノ巣避難小屋

七つ石山から鷹ノ巣山までで会ったのは三人。東京の奥座敷、奥多摩にしては寂しい尾根歩きになった

   大菩薩連嶺と薄っすら見える富士

鷹ノ巣山からは、日帰りハイカーが登ってきており、少し賑やかになる。今日はここで昼食。
この山も眺めは抜群。上の写真は、大菩薩連嶺と相変わらず薄っすらとしか見えない富士。

  御前山 大岳山 御嶽山

こちらは御前山、大岳山、御嶽山。観艦式の船のように一直線に山が並んでいる。

   ゲレンデのような尾根道

相変わらず、広い尾根は木が切られている。下り坂ではスキーのゲレンデのようだ。

  六つ石山頂

六つ石山山頂。ここは見晴らしが良くない。いや、ここも見晴は悪くはないのだが、今までの山から比べると見劣りする。

  雪の代わりに落葉が

標高が下がってきて、雪の代わりに落ち葉が目立つようになる。落ち葉の下は泥土。ここでもアイゼンが威力を発揮する。履いてなければ滑りまくるだろう。

  天益にて

奥多摩駅に着いたのは17:30。すっかり日が暮れていた。
山荘で聞いた餃子の美味しいと噂の天益に寄る。店は満員。客は山荘の宿泊客とスタッフだった。もちろん山談義で盛り上がる。