木曽駒ケ岳タイトル 2956m  百名山
空木岳タイトル2864m 百名山

 登山日:2005年7月31日から8月2日

同じアルプスの名を冠しながら、中央アルプスは南アルプス、北アルプスと比べて、どうしても地味なイメージしか持てない。でもその稜線に立てば「ここは日本アルプス」だと納得する。
車で移動すると、アプローチが容易なのも、「なまけものハイカー」的にはお勧めである。
今回選んだのは、駒ヶ根インターから直ぐのところにある菅の台バスセンターに車を置いて、千畳敷までロープウエーで登り、木曽駒ケ岳、空木岳を経由して、再び菅の台バスセンターに降りてくる二泊三日のコース。百名山二山を縦走する最もポピュラーなコースではないか。

       
空木岳山頂から
    
馬の背のコマウスユキソウミヤマダイコンソウ
乗越浄土 チシマギキョウカラマツソウ
千畳敷のコバイケイソウ
コマウスユキソウ極楽平
ツマトリソウ
ハクサンチドリ
もうすぐ木曽殿山荘 木曽殿山荘からのご来光 振り返ると空木岳
空木岳からのパノラマ
                     
行程
一日目
菅の台バスセンター 10:30
しらび平 11:10
ホテル千畳敷発 13:00
乗越浄土 13:50
木曽駒ケ岳山頂着 14:55
木曽駒ケ岳山頂発 15:00
乗越浄土 16:00
ホテル千畳敷着 16:50
二日目
ホテル千畳敷発 5:20
極楽平 6:00
桧尾岳着 9:15
桧尾岳発 9:50
熊沢岳着 11:50
熊沢岳発 12:10
東川岳 14:30
木曽殿山荘着 14:55
三日目
木曽殿山荘発 5:50
第1ピーク 7:05
空木岳山頂着 7:55
空木岳山頂発 8:30
駒石 9:00
マセナギ着 12:00
マセナギ発 12:40
池山避難小屋そばの水場着 13:20
池山避難小屋そばの水場発 13:35
タカウチ場 14:15
林道終点 14:35
家を出たのは7:15頃。マイカーを飛ばして、中央高速駒ヶ根インターを下り、菅の台バスセンターに着いたのは10:30だった。ここからしらび平まではバス。しらび平で20分ほど待って、駒ケ岳ロープウエイに乗り、12:00には標高2620mの千畳敷に着いてしまった。
中央アルプスは飯田線の弁の悪さから、アプローチの悪い山々と思っていたが、車を利用するとそれほど悪くない。
ホテルのチェックインと昼食を済ませ、駒ケ岳に向かう。千畳敷ではコバイケイソウの大群落が歓待してくれる。
他にも、シナノキンバイ、ハクサンイチゲカラマツソウ、ミヤマキンポウゲ、アオノツガザクラ、イワツメクサチシマギキョウ...。何処にでも見られる高山植物が多いが、その種類も数も豊富である。
U字谷を登るので、徐々に坂が急になる。もうこれ以上坂が急にならないだろうと思った所が乗越浄土だった。ここからは稜線歩き。広くゆったりした尾根を木曽駒ケ岳に向かう。ここまでとは対照的な緩やかなアップダウンが続く。天気であれば、さぞ気持ちの良い尾根歩きだろうと想像出来るが、本日は生憎の靄の中。遠くで雷の音まで聞こえる。そして、山頂直前に雨となってしまった。

千畳敷のコバイケイソウ大群落
千畳敷のコバイケイソウの大群落
この花は、アタリ年とハズレ年があると聞くが、
今年の千畳敷では間違いなくアタリ年だろう

難易度 ★★★★
行程時間(含む休憩) 一日目:3時間50分
二日目:9時間35分
三日目:8時間45分
駐車スペース 菅の台バスセンター付近
(有料)
トイレ 各山小屋
登山口 わかり易い
水場 ホテル千畳敷
木曽駒頂上山荘付近
義仲の力水
 (木曽殿山荘より7分)
池山避難小屋そばの水場

稜線では水場が少なく注意が必要
帰りの温泉 こまくさの湯(菅の台バスセンターそば)
お勧め度 ★★★★
  木曽駒ケ岳山頂には、伊那側と木曽側の2つの祠がある。2つの地方に挟まれた大きな山には時々このパターンがある。
雨が降っているので、そそくさと往き来た道を下りた...。つもりだったが、どうも様子がおかしい、間違えて馬の背を下りてしまったようだ。でも、この事が幸いした。
途中で立ち止まっていた人に「この道は馬の背ですか?」と聞くと、「そうです。」ついでに「この辺りを見てください。全部コマウスユキソウですよ。」と言う答えが返ってきた。見るとホソバツメクサだと思っていた白い花は、中央アルプスの特産のコマウスユキソウ(ヒメウスユキソウ)だった。
ウスユキソウの仲間は各地で見たが、コマウスユキソウは一番小さく可憐である。エーデルワイスよりこちらの方がはるかに良い。
17:00前にホテル千畳敷に辿り着く。

木曽駒馬の背のコマウスユキソウ
良く見ると、斜面に咲く白い花は全部
コマウスユキソウ

乗越浄土からの千畳敷
乗越浄土から見た千畳敷。かろうじて
ホテル千畳敷が見える。写真で見ると
緩やかな斜面に見えるが、実は
手前は結構な急斜面。
二日目は、妻の足を考慮して、早めにホテルを出る。なにしろ、妻にとってこんな高度の縦走は初めてなのだから。
東の水平線は南アルプス。その向こうにかろうじて富士山が見える。
極楽平までの急登を登り切ると、これから歩く稜線が綺麗に見えてくる。そして、その先には明日登る空木岳が続いている。
足元には、昨日、木曽駒で見つけたコマウスユキソウ
1時間ほどは、広い緩やかな尾根の登り降りだった。こんな道が続けば良いと思っていたが、中央アルプスの縦走はそんな甘いものであるはずがなかった。
いつの間にか、岩場の急登、急降下。おまけに靄って、景色が見えなくなってしまった。
9:15に桧尾岳に辿り着く。この辺りが、今日の行程の半分になる。ほぼ計画通り。ここで、ちょっと早い昼食休憩にする。
一時間ほどの休憩で、出発。道の傍らにハクサンチドリが咲いている。
この辺りからガクッと、妻の足が遅くなる。少し登りとなると、足がふらふらしている。加えて、難所が続く。梯子を伝い、岩をよじ登るコースになった。一つミスをすると、命を落としかねない。天気も悪く、いつ雨になってもおかしくない。体力を見て、休憩を増やすが、もっと前から多くの休みを取るべきだった。ここまでで無理して消耗していたに違いない。妻には少し無理のあるコースだったか?熊沢岳/東川岳まではヒヤヒヤ。山荘が見えた時にはホッとする。
妻は、山荘では、夕食も食べられない状況になっていた。高山病と体力の消耗が重なったのだろう。山小屋の親父が、体力を取り戻すために蜂蜜の入った温かい飲み物と一般客とは別寝場所を用意してくれた。
山荘は、部屋が綺麗に掃除され、気持ちが良い。加えて親父の親切さに心を打たれる。
 
極楽平から
極楽平付近から見た中央アルプスの稜線。
遥かに、空木岳/南駒ケ岳が見える。

木曽殿山荘
キレットにある木曽殿山荘
水はここから7分の義仲の力水まで
汲みに行かなければならない。


木曽殿山荘からのご来光
木曽殿山荘からのご来光。
八ヶ岳の直ぐ南から日が昇る。

振り返ると空木
振り返ると空木岳。
右に見えるのが駒石。

三日目、心配していた妻の状態もすっかり回復。予定通り、空木岳を経て、菅の台バスセンターに下る道を辿る。
5:50に山荘を経つ。最後から2番目の出発だった。いきなりの急登に加え、1時間くらい歩くと、岩場の梯子、ロープの連続。体力のあるうちにここを突破したのはラッキー。登るに連れて遠望が効くようになる。振り返ると御岳から北アルプス、昨日歩いた稜線も見える。
空木岳山頂は360度の展望。御岳、乗鞍岳、北アルプス峰、八ヶ岳。南アルプスは最北の鋸岳から聖岳までしっかり見える。これがあるから山登りは止められない。惜しいのは、丁度富士山が見えるはずの塩見岳の横に雲がかかっていること。
本当は1時間くらい、留まりたかったが、後のスケジュールを考え、30分ほどで頂上を後にする。
ここからは、延々と下り坂が続く。やがて、ハイマツの林、そしてシャクナゲが混じるようになり。駒石を過ぎて暫らく歩くと、振り返ってかっこ良く見えていた空木岳が見えなくなってきた。
途中、地図では難所と指摘されていた、大地獄、小地獄にさしかかる。山荘の主が、「ここは梯子、ロープを整備したので安全になりました」と解説していたように、綺麗に整備されている。でもヤセ尾根の縦走であることには違いない。一歩足を滑らせれば、一人では帰られなくなる場所であることには違いない。ここまで、慎重に休みを取ってきたのが良かったのか、妻の足も大丈夫そうである。
マセナギを過ぎると急に緩やかな下りになる。左右の坂も緩やかになる。ここなら落ちても大丈夫。危険な場所は過ぎた。
池山避難小屋の近くの水場は非常に水が豊富。大きな水槽もある。後で聞いたが、ここでそうめんを食べた人もいた。タカウチ場の分岐で、林道終点からと指定してタクシーを予約する。
林道終点は20台ほど停められる駐車場になっている。ここから菅の台バスセンターまではタクシーで20分。2500円くらいの乗車賃だった。
バスセンターまで降りて、近くのコマクサの湯により、帰路につく。コマクサの湯は、温泉ではなさそう。湯はカルキ臭い。しかし、山の汗を流すには丁度良い。