深田久弥さんが登った頃では考えられないと思うが、現在ではこの山は中央高速の利用により東京からでも苦もなく日帰りできる。眺めも素晴らしく、下山後の楽しみも多い。しかも今回のコースは登り出し地点の標高が1570m。夏でも涼しい登山ができる。なまけものハイカーお勧めの山である。 |
||
大菩薩峠の看板 |
|
行程
|
マイカーを飛ばして、中央高速勝沼インターを下りて、柳沢峠方面に向かう。 途中裂石から林道に入り、15分ほど車を走らせると、上日川峠に着く。ここが今回の登り出し地点。通常登山口にある駐車スペースは申し訳程度の広さしかないが、ここは珍しく3箇所の駐車場があり、全部埋まれば100台くらいは駐車できそうである。ここから大菩薩峠、大菩薩嶺を結ぶ周回は、休憩を含めて4時間弱、標高差500m弱の程よいハイキングコースである。もしこのコースで物足りない人は裂石-丸川峠-大菩薩嶺-大菩薩峠-上日川峠-裂石と周回する手もある。 上日川峠から林道を通れば15分、山道だと30分弱ほどで福ちゃん荘に着く。さらに40分で大菩薩峠。ここまではたいした登りもなく、何となく歩いていると着いてしまう感じがする。 大菩薩峠には大きな看板/山小屋/ベンチがあり、ここがこの山の頂上ではないかと勘違いする。 ここから、雷岩までの45分、左斜面は森林限界を超えたアルプスの縦走コースのように開けており、眼下に甲府盆地、その向こうに富士山や南アルプスの峰々が見えるはずである。このコースの魅力はここにある。残念なことに、今日は天気が悪く甲府盆地も見えない。 稜線にはヤマツツジ、サラサドウダンが咲いている。ただ、この稜線には虫が多く、油断するとアブが口の中に入ってしまいそうだ。もしどうしても虫がいやなら福ちゃん荘に売っているカヤ付の帽子を買えばよい。何でこんなものを売っているのだろうと思ったが、ここまでくれば納得する。 |
|||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||
雷岩から10分ほど森の中を歩くと大菩薩嶺の頂上に着く。ここは見晴らしも利かず、ピークと言うイメージもない。林の中の少し開けた休憩場所という感じの所である。看板も小さい。大菩薩峠とは対照的な地味な場所だ。多くのハイカーが記念写真だけ撮ってそそくさと雷岩まで引き返してしまう。やはりこのコースの主役は大菩薩嶺ではない。大菩薩峠なのだ。 雷岩は昼食を摂るのにちょうど良い場所である。視界は開け、ゆったりできる。 ここから福ちゃん荘まで一気の下りとなる。大菩薩峠経由の上りは緩やかな気持ちの良いコースであった。逆コースは急な上りと緩やかな下りになる。あまり、お勧めのコースにはならない。 福ちゃん荘まで来れば、上日川峠の駐車場は目と鼻の先。 上日川峠からの帰路は往きに使った裂石経由と、大和村に出るコースがある。前者であれば大菩薩の湯で汗を流し、勝沼でぶどう狩り/さくらんぼ狩りなどを楽しめる。後者であれば嵯峨塩温泉、武田勝頼終焉の地天目山に寄る事も出来る。今回は後者を選ぶ。嵯峨塩温泉は、評判の良い鉱泉である。しかし、今回は浴槽の改装中とのことで入浴できなかった。 |
森林限界を超えたアルプスの 縦走路のような尾根道 |
|||||||||||||||||||||