御正体山タイトル
百名山 韓国岳:1700m 登山日:2010年4月30日-5月1日

「韓国岳から見た新燃岳、高千穂峰は日本でも指折りの山景だ!」

霧島山群は20を越える小型の火山からなる。いずれの山も大きさの割りに火口が大きく、そのためこの一帯は月のクレータ群のような特異な地形を成している。
ここは、「なまけものハイカー」の最も好きな場所の一つで、学生時代以来付近に10泊以上している。関東近傍を除けば最も多く訪れた観光地だろう。
この地を車で通り過ぎ、付近の温泉に入るだけの観光客が多いのは実に残念だ。この地の特異な地形は高所から俯瞰しないと面白さが半減する。できれば最高所、韓国岳に登って欲しい。誰でも登れる山なのだから、なおさらだ。
ここを歩くならえびの高原から高千穂河原が標準コースだが、スケジュールの関係で今回は諦め。1日目にえびの高原の池めぐり、2日目にえびの高原から韓国岳に登り、大浪池経由でえびの高原に戻るコースを楽しんだ。

             行 程
一日目
えびのエコミュージアムセンター 12:55
白鳥山 13:40
六観音展望台 14:15
県道合流 14:40
えびのエコミュージアムセンター 15:05
二日目
えびのエコミュージアムセンター 8:45
韓国岳五合目 9:50
韓国岳山頂着 10:20
韓国岳山頂発 10:40
韓国岳避難小屋 11:25
大浪池展望所着 12:00
大浪池展望所発 12:25
大浪池避難小屋(大浪池半周) 12:50
韓国岳避難小屋(大浪池一周) 13:40
えびのエコミュージアムセンター 15:05
韓国山頂から見た高千穂の峰
韓国岳山頂から見た新燃岳と高千穂の峰


難易度 ★★★
行程時間(含む休憩) 一日目:2時間10分
二日目:6時間20分
駐車スペース えびの高原に大規模な有料駐車場(410円)
トイレ なし
登山口 わかりやすい
帰りの温泉 霧島いわさきホテル、他
お勧め度 ★★★★

☆☆所感☆☆
韓国岳からの高千穂峰方面の眺めは、日本最高クラスの絶景と確信している。一度は訪れて欲しい。
周囲の温泉も言うことなし。

   えびのエコミュージアムセンターの駐車場

早朝、6:50羽田発の飛行機で鹿児島に向かう。羽田でちょっとトラブルがあった。手荷物検査で愛用の五徳ナイフがチェックされてしまった。今までならその場で取り上げられ、着空港で返却してもらうのだが、どうやら最近はそのようなサービスはやってないようだ。手荷物カウンターに戻って、手荷物自体を預けるか、その場で廃棄または自宅へ着払い郵送を要求された。手荷物カウンターに戻る時間はない。泣く泣く着払いで自宅へ返送した。
鹿児島空港からレンタカーで一旦、藺牟田池(いむたいけ)に向かう。「ふるさと富士」-「藺牟田富士」のネタ集めのため。割りに面白い場所、リンクをちょっとクリックして欲しい。
その後、えびの高原に着き、昼食の後、池巡りを始めたのは13:00近かった。

   アカマツの中を行く遊歩道

アカマツの林の中をよく整備された遊歩道が続く。ここは一級の観光地。サンダル履きの人もいる。登るにつれ木の高さが低くなり、周囲が良く見えるようになる。

  白紫池と韓国岳

白紫池の外輪山を時計回りに進む。足元にツルキジムシロ。潅木の間からの眺めが気持ちいい。
見事な杉 六観音御池から見た韓国岳 45分で白鳥山に到着。ここが一日目の最高点。正面に白紫池と韓国岳が見られる。その北に夷守岳(生駒富士)、甑岳。
風が強いので5分ほどで、白紫池を右に見ながら下りに着く。
次は六観音御池。こちらは白紫池に比べて池は大きいが外輪山が低い。眺めは良くないが道は緩やかで落ち着いた感じの遊歩道になる。
途中、屋久杉かと思えるような見事な杉に出会う。ちゃんと解説板があった。屋久杉とは種類が違うようだ。
六観音池の畔に展望台があり、静かな池面の向こうに韓国岳。

白鳥山から一時間で車道に合流。そのまま駐車場に戻り、一日目は終わり。今日の宿は霧島いわさきホテル。豊富な湯量を生かした日本最大クラスの露天風呂がウリ。

  ちょっと気の早いミヤマキリシマ

二日目も昨日のえびのエコミュージアムセンターから。最初は遊歩道。大量のミヤマキリシマの株がある。気の早い株が少しだけ花をつけていた。

  潅木の中を進む登山道

やがて潅木の中を軽く登る登山道になる。ここは木が低く、見通しの利く場所が多い。ちょっと振り返ると、えびの高原が眼前に広がっていた。
五合目付近から見たえびの高原

  山頂の断崖

エコミュージアムから1時間半で山頂に到着。山頂は火口壁の一番高いところ、断崖の上にある。火口原は200mほど下。そうそう30年前に来た時には、火口の底に落書きがあった。

  韓国岳火口

山頂からの眺めは絶景。特に南東方向の高千穂峰と新燃岳は最高。高千穂峰はここから見ると2つの肩とその真ん中の突き出た峰が、これが自然の山かと思えるほどバランスがよい。その手前の新燃岳が素晴らしいアクセントになっている。
一番上の写真をもう一度見て欲しい。ここからの風景は日本でも指折りの山の絵であると確信している。

  大浪池に下る木の階段

さらに右に目を移すと、大浪池。これだけでも充分他では見られない眺めだ。20分ほどで、その大浪池に向かって下りる。ここは池まで延々と木の階段が取り付けられていた。
山頂から45分で韓国岳避難小屋まで降りる。

  大浪池東回りにある石畳

ここから大浪池を時計回りにほぼ一周回るコースに入る。足元にハルリンドウが目立つ。まずは東回り。道には敷石が埋め込まれており極めて歩き難い。

  大浪池方向から見た韓国岳

後ろにはさっきまでいた韓国岳がが見える。えびの高原から見た、韓国岳は少々ごっつかったが、ここから見ると丸坊主。

  岩の間から大浪池を覗く

遠くから見るても気がつかなかったが、大浪池の火口壁は断崖絶壁。上の写真は絶壁から覗いた池。

  大浪池火口壁から見た高千穂峰と新燃岳

  大浪池避難小屋付近
  ノカイドウを保護するネットごしに写真を撮る人 左上の写真は東回りから見た新燃岳と高千穂峰。ここから見ると峰が右側になる。
大浪池避難小屋付近に到着。ここから西回りに入る。東回りに比べて西回りは起伏が少なく歩き易い。その代わりに眺めは東回りの方が良い。高千穂峰も東回りしか見れない。
大浪池をほぼ1周して、えびの高原に向かう。地図の上では軽い下りだが、数m程度の細かい起伏が続く。
ノカイドウとそれをシカの食害から守るネットが見られるようになったら県道は直ぐ。県道を少し歩いて出発地点に戻る。

今日はこのまま指宿に向かう。明日は開聞岳。