毛無山タイトル  1946m  二百名山 登山日:2006年11月4日

「ただただひたすら登る山、ゴールに富士山が見えれば最高かも...」

富士山は独立峰だが、その周囲に外輪山のように取り囲んでいる山々がある。その最高峰が天子山塊にある毛無山である。朝霧高原の西に位置し、間違いなく綺麗な富士山が見えると確信して登ることにした。
この名の山は多数あり、Yahoo!の地図検索では26座、Wikipediaでも9座出てくる。広島県庄原市には4座、北海道に7座と極端に地域が片寄っているのも面白い。
全国の毛無山の最高峰が今回の山になる。因みに天子山塊のお隣の御坂山塊にも毛無山はある。
この山を登るにあたって問題となるのは急登にある。1100mを越える標高差を一気に登らなくてはならない。そのため手元のガイドブックでは上級の山になっていた。

グリーンパーク付近から見た毛無山
グリーンパーク方面から見た毛無山

毛無山山頂
五合目の道標 リンドウ
不動の滝見晴台から
毛無山二合目の標識 麓の駐車場
グリーンパーク方面から見た毛無山
行程
麓の駐車場 8:50
不動滝見晴台 9:35
五合目 10:35
七合目着 11:25
七合目発 11:45
下部からの合流点 12:30
山頂着 12:45
山頂発 13:10
七合目 13:45
五合目 14:20
不動滝見晴台 15:00
麓の駐車場 15:45

難易度 ★★★
技術はいらないが体力は必要
行程時間(含む休憩) 6時間55分
駐車スペース 麓に有料駐車場(500円)
(30台ほど駐車可能)
トイレ なし
登山口 わかり易い(この山は道標が多いが道標を見落とすと迷いそう)
水場 なし
帰りの温泉 グリーンパーク
お勧め度 ★★(富士山が見えないと、苦労の割には報われない。)


毛無山二合目の標識
二合目の道標



五合目の道標
五合目の看板。「マツダランプ」とは
1962年まで使われた東芝の電球の呼称

前日、西沢渓谷で紅葉を楽しみ、甲府市内に泊まり、この山に向かう。日帰りできない山ではないが、いつも朝寝坊の「なまけものハイカー」にはちょっぴりしんどい。手堅く前泊にした。
甲府からまっすぐ精進ブルーラインを南に下り、精進湖から国道139号線に合流。そのまま南に下り、朝霧高原に出る。朝霧グリーンパーク入口で右折し2kmほどで、麓の駐車場に着く。有料で料金は500円。途中、毛無山登山臨時駐車場の看板もあるが、そこに停めれば片道30分以上余計に歩かなくてはいけない。「なまけものハイカー」はこういう所には停めない。

   麓の駐車場
     麓の駐車場。手前にポストがあり、500円と車のナンバーを
     書いた紙を袋に入れて投函するシステム


支度を整え、登り始める。最初、いくつかの分岐があるが、道標が多く立っているので、見落としさえしなければ、迷うことはないと思う。
山に入ると15分ほどで「毛無山一合目」に到着。登山道に「何合目」という目安がある山は結構あるが、いい加減な所が多く、あまり当てにならない。この山はほぼ標高差等間隔で切っているようで、ちょうど良い目安になる。
二合目を過ぎて数分で不動の滝見晴台に着く。水量はあまり多くないが落差がある。周りの紅葉とマッチして美しい。

   不動の滝
        不動の滝、周囲の紅葉とマッチしている。

この辺りから急登になる。普通の山なら、一息つけそうなところが何箇所かあるが、ここは一本調子で高度を稼いでいく。ところどころ、ロープが張ってあるが、それほど技術的に難しそうな箇所や、危険そうな箇所はない。ただひたすら登りが続く。こんな時は、道端の花が気持ちを和ませてくれるが、この時期になれば、咲いているのは野菊とリンドウくらい。
五合目に面白い道標があった。「みんなで楽しむハイキングコース、朝霧高原から下部温泉コース、五合目、マツダランプ」とある。帰宅して調べてみると「マツダランプ」とは1962年まで使われていた東芝の白熱電球のブランド名らしい。と言うことはこの道標は短く見積もって44年経過していることになる。どうりてキャッチも古臭い訳だ。
九合目を過ぎて少し行くと地蔵峠からの合流点に着く。ここから急に、今までの急坂が嘘のような平坦な道に変わる。15分弱で山頂に辿り着く。
毛無山山頂は小さな広場になっていた。「毛無」というから山頂は木のないハゲ山を想像していたが、木がないのはこの山頂の広場のところだけだった。南面が開けていて麓まで見通せる。期待していた富士山は雲に隠れて全く見えない。

   毛無山山頂
             毛無山山頂の様子

下山は往路を戻る。お楽しみの温泉は、車で国道139号線に出る手前のグリーンパークに寄った。大人一人800円。「日本一の富士山が見える露天風呂」と書いてあったが、「日本一」は、「富士山」にかかるのか、「富士山が見える露天風呂」にかかるのかちょっぴり考えてしまう。後者を期待したが、前者のようだった。東名高速経由で自宅へ帰る。富士宮で、本場の焼きそばを食べたがこれがえらく「なまけものハイカー」カミさんには受けが良かった。