タイトル  1963m  百名山 登山日:2007年8月14日

「急登の後に別世界が広がっていた」

火打山から雨飾山が見えた。金山と焼山の間に低い頂が見えていた。標高2000m弱。少し左に目を向けると北アルプスの名峰が連なっている。見比べれば、かなり見劣りする。「百名山にしては、なんともしょぼい山だな」というのが第一印象だった。
実際に登ってみると、第一印象とはまるで違っていた。荒菅沢から見える岩峰は、槍ヶ岳を思わせる。山頂直下の笹平からの優しい山容。百名山の名にふさわしい名峰であった。
前日、火打山/妙高山に登り、小谷温泉の「栃の樹亭」に泊まり翌日、この山に挑戦した。標高差800m弱。ついでのつもりで登ったが、そんな山ではなかった。
笹平から見た雨飾山
笹平から見た雨飾山
ハクサンシャジン
タテヤマウツボグサオオバギボウシ 笹平から見た雨飾山雨飾山とタテヤマウツボグサ
雨飾山頂の様子
山頂から見た笹平
雲がかかっている北アルプスの峰々
北のピークの石祠
荒菅沢から見た岩峰
ジャコウソウ
400mおきの道標
雨飾高原キャンプ場の駐車場
行程
1日目
雨飾高原キャンプ場 6:05
荒菅沢着 7:45
荒菅沢発 8:05
笹平 9:40
雨飾山山頂着 10:20
雨飾山山頂発 10:55
笹平 11:35
荒菅沢着 12:45
荒菅沢発 13:15
雨飾高原キャンプ場 14:45

難易度 ★★★★
行程時間(含む休憩) 8時間40分
駐車スペース 雨飾高原キャンプ場(40台)
トイレ 雨飾高原キャンプ場
登山口 わかり易い
帰りの温泉 小谷温泉
お勧め度 ★★★★

   雨飾高原キャンプ場の駐車場

前日、火打/妙高を登った後、登山口のある笹ヶ峰オートキャンプ場から妙高小谷林道経由でマイカーで小谷温泉に出る。この林道、舗装はされていないが、笹ヶ峰から1時間弱で小谷温泉に出られるので、火打/妙高/雨飾と三座の百名山を登るには、絶好のルートになる。実際に、同じ事を考えている人が結構いるらしく、火打/妙高で見た顔の人が運転している車何台かが、砂利道に慣れていないなまけものハイカーを抜いていった。
前泊した栃の樹亭は、林道を抜けたところの右脇にあった。うっかり見過ごし、かなりの時間ロスをしてしまった。
この宿は小谷温泉の最奥にあり、新築間もない綺麗な宿。雨飾山登山者の宿泊客が多いらしく、早朝立ち用の弁当と氷水を用意してくれた。当日、宿から車で10分で雨飾キャンプ場に着く。

   400mおきの道標

観光誘致のために、いろいろ整備しているのであろう。駐車場は40台以上駐車可能、臨時の売店もある。そう言えば宿には雨飾山登山用のパンフもあった。
身支度を整えて、出発。しばらくは川に沿った緩やかな道。道には上の写真のような道標が400mおきに頂上まで11枚ある。「2/11」すなわち800m地点から本格的な登りになる。ここまで20分くらい。このペースで行けば、2時間弱で山頂に着くはずだが、もちろんそんな事はない。

   荒菅沢から見た岩峰

キャンプ場から1時間40分で荒菅沢に着く。水場はこの後ないはず。大休止をとる。この沢は年によっては8月まで雪渓が残っているようだ。荒菅沢の上流に目を向けると、槍ヶ岳のような岩峰が見える。あれが山頂と思っていたが、後で調べると、どうもそうではないみたいだ。

   雨飾山とタテヤマウツボグサ


ここから標高差450mの急登になる。かなりしんどい。しばらくは林の中の道。やがて見晴らしの良い尾根道に変わる。ただ、ひどいがれ場で、落石、スリップに要注意。
1時間半かけて笹平に着く。急登はここまで。別世界が広がっていた。なだらかな丘のお花畑が広がる。タテヤマウツボグサハクサンシャジンオオバギボウシ、シモツケソウ、...。その向こうに山頂が見える。

   雨飾山頂の様子

ゆるやかなアップダウンを楽しみながら山頂に向かう。山頂直下に、最後の急登。笹平から30分ほどかかった。
山頂は360度の展望。

   雲がかかっている北アルプスの峰々

ここは北アルプスの好展望地として知られている。だが、今は意地悪くその峰々の高度にちょうど雲がかかっており、名峰を特定することが出来ない。


   山頂から見た笹平

山頂の東側には今登って来た道が見える。ゆるやかな笹平の真ん中を一本の筋になっている。その先には金山、焼山、その間に火打山がかろうじて見えている。(上の画像ではちょっとわからない)

   北のピークの石祠

山頂は2つのピークがあり、やや低い北側のピークには、5つの石祠が立っている。ここから日本海も見えるはずだが、今日は生憎...。というよりはこのクラスの高度の山で海まで見える事はめったにない。

   壊れかけた登山靴(山頂にて)

40分弱山頂に留まり、帰路に着く。ただ少々問題があった。5年ほど使った登山靴の底が割れている。一昨日の火打では、数cmの裂け目だったのに、今ではつま先から土踏まずまで割れている。中から白いアクリル板のようなものがポロポロ出てきた。この状態で登山口まで戻れるか。

行き来た道を戻る。笹平からの急な下りは、靴に気を使いながら、ずり落ちるように...。


荒菅沢で再び大休止。昼食を摂るが、太陽は天頂にあり、日陰もない。沢の水をがぶ飲みする。
ここから軽い下りを楽しみながら1時間半で駐車場に辿りつく。幸いなことに靴は底がめくれて歩けなくなるまでは至らなかった。両足共に同じような壊れ方をしている。今回、登山靴がどのように壊れるか良くわかった。山行き前にどこを点検をすればよいか参考になると思い、左の写真を残す。