ロジャース ウッド・パワートーン

Rogers POWERTONE Wood shell 14x5 snare drum

Color : PINK CHAMPAGNE PEARL

ロジャースのスネアドラムといえばダイナソニックモデルが有名ですが、
ここでは隠れた銘器とも言うべきパワートーンモデルをご紹介致します!

残念ながら国内では知名度の低いウッドのパワートーンですが、なかなか侮れないようです
シェルカラーは、当時のドラムシーンをひしひしと感じさせる「ピンク シャンペン パール」
「ピンク シャンペン パール」カラーフィニッシュにまつわるトピックを掲載中!

当サイトにてご紹介しております1968年米国版カタログにウッドシェルモデルは未掲載です
この事実からして、1968年頃のパワートーンはメタルがポピュラーだったのかも知れません
1967-70年頃のメタルパワートーンは、ブラスにクロームメッキ(COB)シェルでしたが、
初期(1964-66頃)のメタルモデルは、スチールシェルにクロームメッキだったそうです
The Rogers Book P.149より)

国内版カタログにスーパーテンが登場する頃、パワートーンはカタログからその姿を消しました
(当シリーズにBig Rの付いたモデルはないはずですが、COBモデルにはあったとの噂も…)

「ブラス胴はダイナソニックに一本化しよう」という思惑がロジャース社にあったのでしょうか?
もちろん企業ですから商売上の戦略や市場の要求、時代の流れ等が存在した事は十分考えられます
(真相は不明ですが、こんな事を想像するのもロジャースドラムの楽しみの一つ、かな…^^)

これはRogers社1968年度米国版のカタログよりPOWERTONE (COB) SNAREの抜粋です

スナッピーコードを通すフープの穴にご注目下さいませ

カタログと同じ、なんとも特徴的な形態をしております

インテリア(シェル内部)の状態です 丈夫なレインフォースメントが付いております

同年代他社製ウッドスネアに比べ、シェルにはしっかり厚みをもたせているようです
(未確認情報:この時期のパワートーンのウッドシェルは6PLYメイプルとの情報あり)
(グレートアメリカンドラムス誌情報=メイプル5PLY+メイプルレインフォースメント!)
(同様にザ・ロジャースブックにも木材を含めた詳細記事あり、ロジャース年表参照)

ハイピッチにしてもロジャース特有の太い音が出る秘密はココに有るのでしょうか?

写真左上に見える塗料のはがれは、スネアベッド加工によるオリジナルのものです
(スネアベッド:スナッピーの喰いつきを良くする為シェルエッジに加工を施します)

興味深いのは、同年代のダイナソニックより明らかにベッドのえぐりが深いことです
ダイナはスネアフレームを有効に機能させるべく、ベッド加工を最少にしていました

シェルに貼られたペーパータグの様子

「Established in 1849 Cleveland, Ohio」と記載されています

この時期のウッドロジャースのインテリアには、グレーの塗装がされておりました
その後のXP-8シリーズなどは、ナチュラルウッドが見えるクリア塗装になりました
(製造された年代によっては、白黒の粒子が混ざったグレーの塗装もあります)

インテリアに塗装を施す理由としましては・・・

・湿気の影響を防ぐ(特に日本は多湿!)
・内部の音の反射を助ける(吸収を防ぐ)

…などが挙げられます

余談:グレッチのインテリアには伝統的にシルバーニスが塗られているようです
(グレッチ社はこれを「シークレット シルバー インテリア」と呼んでいます)
ラディック社のモデルの中には白く内面塗装されたシェルもあるようですね!

よく見るとペーパータグの左上にはさり気なく「F」の手書き文字が見えます

想像の域を出ませんが、制作者か検品者のサインではないか、と考えています
なぜなら、同様の文字を当時の他のロジャース製品でも見た事があるからです

「F」の他には「Em」や「H.R.」、「Pd(多分)」などを目撃しました
(「F」と「H.R.」についてはそれぞれ別個体で複数回の目撃経験あり)

なお、ペーパータグの中には手書きのサインが書かれていない物もあります

写真では、表にREMOのアンバサダー、裏に同スネアサイドヘッドが張ってあります

しかし、以下にご紹介するREMOのルネッサンスも近々試したいと考えている所です

REMO RENAISSANCE

レモ社、ルネッサンスのバターサイド用ヘッドです

REMO SNARESIDE RENAISSANCE

同じくルネッサンスのスネアサイド用ヘッドです

ご覧の通り、見てくれはちょっと黄ばんでいます
そこがまた使い古されたオールドっぽくて良い?!

現在のセッティング、レモアンバサダーヘッドではとても太い音がします
(そのサウンドは
ココでお聞き頂けます)

ルネッサンスヘッドでの出音も早く試してみたいと考えている所です…

更新情報

Rhythm & Drums magazine、02年11月号P.157には、シルバースパークルと思われるウッドのパワートーンスネアが写真入りで紹介されています プロフェッショナルの方が今なお現役バリバリに愛用されているのを知り、誠に嬉しい限りです!

ロジャーススネアのページへ戻る

メニューのページへ戻る