ロジャース社の太鼓たちは、取り付けられたラグやバッジの形態、そしてシェル内のペーパータグに記された製造場所とシリアルナンバーなどから、その個体が製造された年代をある程度推測する事が出来ます。(一部例外あり また、"9/72"タグ
以降のモデルには製造場所の記載がありません) この年表があなたの大切なロジャースのルーツ探究に役立てば嬉しく思います! |
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ロジャース社が創設されました! 創業者ジョセフ・H・ロジャースにより、当初カーフスキンヘッドメーカーとしてロジャース社は創設されました ドラム製造を開始したのは1920〜30年頃の模様 |
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オハイオ州クリーブランドで製造され、イーグルバッジが付いている時代 1950年代中期から後期かけて使われた「イーグルバッジ」の例
オハイオ州クリーブランドのタグ例 |
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シェル内(インテリア)は黒い塗装、その後フラット(あまりつやのない均質)なグレー塗装に変更されました フラットなグレー塗装の例 |
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クロックフェイスと呼ばれるストレイナー、及びブレッド&バター(B&B)ラグの時代 クロックフェイスストレイナー
さらに同誌7月号には、同氏がスイヴォマティック・ハイハットスタンドをも使用していた事実が紹介されています 余談ですが、2003年6月にZEPP結成35周年を記念して発売されたDVD中、1970年・ロイアルアルバートホール「モビーディック」ソロ部分で、しばしHH脚部分のアップが写りますが、確かにロジャースの優雅なスワンレッグを見る事が出来ます(DVDやビデオをお持ちの方は是非探してみて下さいね!) |
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金属製の "ROGERS" スクリプトバッジが付くようになりました 金属製スクリプトバッジ、ウッドダイナクリアインテリア及びオーバルバッジの例 |
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ビーバーテールラグの時代 ビーバーテールラグの例
スイヴォマチックストレイナー
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製造拠点がオハイオ州・デイトンに移転 Sta-Tite ストレイナー
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オハイオ州・デイトンから、さらにカリフォルニア州・フラートンへ移転 1968〜9年、カリフォルニアへ移転した頃から各部のパーツ重量が軽くなったという情報もあります |
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カリフォルニア州・フラートンの時代 斑模様のグレーペイントの例
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9/72 タグの時代 タグ内に 9/72 と記載されている、従来より小降りのペーパータグのついたモデルが製造された時代です この頃から、それまで使われていた各モデル名称の呼び別けはしなくなった模様 (各モデルが本当になくなってしまったのかは不明ですが、少なくとも9/72 タグにはパワートーンとかホリデーといった記載がありません) 9/72 タグは文字通り、1972年9月からこのモデルが製造された事を示しているようです なお、このタグはBig Rモデルが発表されるまで使われました(1975年6月までとの情報もあり) (GTフェチ様よりお預かりしている 9/72 タグの写真を是非ご参照下さいませ この写真では同時に粒子感のあるグレー塗装もご覧頂けます) 恐らくこの頃(72〜3年頃)からスチールをシェルに使ったスーパーテンスネアが新規に登場します ダイナソニック同様、Big R以前のモデルにはオーバルバッジ(ダイナソニックについては前述:「1960年」の項参照)がついていました |
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カリフォルニア州・モンロビアに移転(ケリー・スミス氏のリストによる 一方、「ROGERS
BOOK」によると1976年6月に移転、との記載あり) 9/72 タグの時代になってから製造拠点の記載がなくなりましたので、モンロビアと書かれたタグは存在しないのではないかと考えられます |
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従来のスクリプト・バッジからBig Rバッジヘ移行する時期です と同時に、メモリロックが発表されました(ちなみに、1980年国内版カタログ1ページ目には「1975年にメモリロックシステムを発表」と書かれています) ちなみに、パワートーンにBig Rモデルは存在しないのではないかと考えておりましたが、もしかすると過渡期に一部存在したかも知れません(未確認ながら情報あり)。 なお、この時代には、シェルにレインフォースメントがあるにもかかわらず、内面(インテリア)はそれまでの粒子感(まだら模様)のあるグレー塗装ではなく、あたかもXP-8(事項参照)のようなクリア塗装のモデルが存在しました そして、このモデルのエクステリアは、当時のカタログには存在しないメイプル・ナチュラルフィニッシュであった事も興味深いポイントの一つです(恐らく、XP-8へ移行する直前のモデルではなかろうか、と筆者は推測しております) ご存知 Big R ロゴとメモリロックの例 |
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いよいよXP-8の時代です(Big RとXP-8は同時に発表されたように錯覚される場合がありますが、実はこのように若干のタイムラグがありました) XP-8フロントヘッドロゴ&レインフォースメントのないクリアインテリアの例 |
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この頃、今までのCOBダイナソニックにナチュラルブラスフィニッシュモデル(ベルブラス胴)が加わり、さらに10プライメイプルウッドのXP-10・ダイナソニックも登場しました 付け加える事、スーパーテンにも同じく10プライメイプルを使った、同モデル初のウッドシェルバージョンが誕生しました(ダイナとの主な相違は「スネア・フレーム」の有無です) 時代の流れからか、ウッドシェルにおいてはどちらも深さ8インチという超深胴モデルがラインナップされています (双方ともに深さは5"、6.5"、8"のスリーサイズがありました) Big Rとシリアル・ナンバーについて: "Big R" バッジにはシリアル・ナンバー(以下S/N)の刻印がないモデルが一部存在します S/Nの記載に関する情報としましては、まず、Big R移行期(1975年頃)の初期のモデル(これはまだXP-8モデルではありません)には、S/Nの記載のない個体が存在するそうす そして、アメリカン・ロジャースが生産を終了する直前(1980年代中期頃?)のBig Rモデル(これはXP-8です)は、S/Nでの管理がそれ程重要ではなくなったとの理由からS/Nの記載がなくなった、という情報を聞きました |
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台湾製Big Rの時代… 「伝説の再生(Rebirth of a Legend)」と称し、台湾でロジャースが造られるようになりました… 台湾製のBig Rロゴは、従来の「ROGERS DRUMS U.S.A.」という記載から「U.S.A.」の部分が無くなり、「ROGERS DRUMS」だけになりました… 残念ながらこの頃のダイナソニックはスチールシェルになりました… BDの脚部は従来のBig R時代のものから大きく形を変え、パール酷似に見えます… タムホルダーのメモリロックは健在のようですが、どういう訳か「MEMRILOC」から「Memri-Lok」と表記を変えています… (パテントの問題なのでしょうか?…) ペダル・HHなどのハードウェアに至っては、一応Big Rマークこそ付いてはおりますが、スイヴォやサプリームの面影はなくなってしまったように見えます… その後、さらにBig Rの形態自体もそれまでの正方形に近い物から、長方形へと形を変えているようです… |
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途中略 |
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現在、古き良きアメリカンロジャース社はすでに存在しませんが、ロジャースの名前自体は今もなお存在しております 「ブルック・メイズ」という米国のお店では、入門用ドラムの位置付けとして「ロジャース・ロゴ」を付けたキットが販売されています 唯一往年のロジャースの面影を残しているのは、残念な事に付属する金属製スクリプトバッジのみのようです… |