3.組み立て(その1)

 さあ、いよいよ休日の前の日、仕事から帰って、夕食もそこそこにすぐさま自分の部屋へ。まずは新聞紙を広げ、道具箱を持ってきて、手元照明用の電気スタンドを用意。半田ごてのスポンジも久しぶりに水を含み生き返ったよう。ついでに、お茶も用意して、、、楽しい時間の始まる前ってどうしてこんなにワクワクするんだろう。
 ちなみに時間は午前0時30分。今日と明日の2日間で完成させようと言う意気込みである。


 今まで自分が自作してきたラジオや電子工作物はそのほとんどが、プリント基板に抵抗やコンデンサ等を半田付けし、配線、ケースへの組込みの手順だった。が、今回はシャーシに組立てるとなり、まず、シャーシに取り付けるパーツからネジ止めし、次にラグ板、配線、抵抗・コンデンサの順に組立てるようだ。シャーシのためプリント基板は無く、ラグ板や端子への空中配線である。

 このキットには添付資料として、回路図と実装配線図のほかに写真による製作手順書(右写真)があり、これに沿って組立てれば手戻りは無い。写真がデジカメの拡大で多少見づらく、説明文も本当に必要最小限でありるが、中級もしくは上級者以上の方にはとても参考になる手順書と感じられる。ただし、よく見ると写真が実物と多少異なり、確かに初心者には分かりづらいかもしれない。
 個人的にはこの他に、工作読本を参考にしたが、この本も良く見るとP29の写真が裏返しであり、やはり最後は自分で回路を見るれるか否かになってしまうようだ。


 最初の作業は、シャーシのビニールを外す事。この組立作業の中で一番簡単な作業かもしれない。しかし、よく見ると加工したシャーシに多少のバリが残っていた。早速、やすりでゴリゴリとバリを落とし、指の腹で滑らかになった事を確認。地味だが、完成後の見栄えと触った感触として意外と馬鹿に出来ない作業の一つ。 
 続いてシャーシへ直接部品を取り付けるパーツ。今回の主役である真空管のソケットを5個取り付け。中間トランス(IFT)を2個、スピーカー様のトランスと脚付きの2連バリコンを順次取り付けていく。ここで感じたのはさすがはキット。加工済みのシャーシであり、部品の配置が綺麗に出来ている。とても上級者用とは思えない親切さ。真空管デビューの自分には嬉しい限りである。

シャーシ本体(上から) シャーシ本体(裏側)
  ラグ板を2個取り付けた。
フロントパネル。チューニング様のバーニャとスピーカを取り付けた。

  加工済みシャーシを褒めた所で、ちょっとしたトラブルが発生。バリコンを付けた時にはちょっとその予感はしていたのだが、フロントパネルをシャーシに取り付け様とすると、ダイヤルとバリコンが近づきすぎてパネルが取り付かないのである。対応方法は2つ。一つはシャーシに新しいバリコン用の穴を空けるか、もう一つはバリコンのシャフトを短くカットするか。当然、対応しやすい前者の、シャーシに穴空け加工をする事に。

バリコンの取付け位置が合わない。 早速、ドリルで穴あけ加工。 高さを調整して。GOOD!

 

  電源トランス、アンテナ用端子、ヒューズホルダーなど、シャーシ本体にパーツの取り付け完了。これから各パーツを配線していく事になる。コレで真空管をさしたら外見は立派な真空管ラジオ!意外と完成は近いかも。しかし、茨の道は始まったばかりだった。これからシャーシの内の配線に四苦八苦するのである。