ロジャース・ダイナソニック(米国版モデル限定)年表

 ロジャース社のフラッグシップ・モデルである“Dyna-sonic(ダイナソニック)”スネアドラムは、取り付けられたラグやバッジの形態、バッジに記されたシリアルナンバーなどから、その個体が製造された年代をある程度推測する事が出来ます。

しかし、各パーツは年代をまたいで変遷しており、一見しただけでその年代を特定するのが困難な場合がございます。そこで米国版ダイナソニックを年代順に表にしてみました。

よろしければ当方の「ロジャースカタログのページ」にて各年代の製品カタログも合わせてご覧頂けますと、興味倍増する事請け合いです b^^

また、一部ではメタルシェルのダイナソニックが、あたかもスチールシェルであるかのように誤解されている向きもございますが、アメリカン・メイドのメタルダイナは一部を除きすべてCOB(クローム・オーバー・ブラス)シェルです。(一部の例外=1982年登場のベルブラスシェル)
ついでながら、1985年以降台湾で作られたダイナにはスチール製もありますが、これはアメリカン・メイドのロジャとは全く別物です。

なお、“ダイナソニック”とは“Dyna=ダイナミック”+“Sound=響き”がその名の由来です!

(誠に恐縮ですが、超巨大表のため適宜スクロールしてご覧下さいませ)

年代\特徴

シリアル#

シェル

バッジ&ロゴ

ラグ(通常10個)

スイッチ

スネアフレーム

スネアガード

特記事項

特徴/年代

1961年
#1〜1000 ウッドシェル:3プライシェル(メイプル/ポプラ/メイプル)+3プライレインフォースメント

第一世代のオーバルバッジ及びスクリプトロゴ

第一世代のオーバルバッジは後の二世代に比較し、もっともフットボール様の形をしていた

バッジとロゴはシェルの反対側の(正反対ではない)位置についている


スクリプトロゴの例
ブレッド&バターラグ

クロックフェイス・ストレイナー


Clock face ストレイナー
ノブ直下に"D"マークあり

初代スネアフレーム

Big R 以前のスネアフレームには数タイプがあるようです

フレーム・エンドカバーの材質が年代により異なります

第一世代スネアガード

初期モデルはホリデーとシェルを共有

初期の200モデルくらいは、インテリアがfruitwood stainの濃い着色

1961年
  #1001〜1200 7ラインのメタルシェル
(グレッチ製COBシェル)
          ビード(=シェルに付けられた断面が半円形の大きな溝)なし  
  #1201〜2700

7ライン ヘビーブラスシェル
上下に1本づつビードあり


7ラインと上下のビード

この頃のシリアル#には、COBモデルとウッドモデルが共に存在します(番号の割振りには法則があるかも知れませんが、詳細は不明です)

          メタルシェルには上下にビードあり(以後はこのタイプのみ)  

1964年
#2701〜    

初代ビーバーテールラグ登場

       

1964年

 
#3001〜  

第二世代のオーバルバッジ


バッジをとめる左右のネジはマイナススクリュー
物の本によると、第ニ世代のバッジは1969年頃まで使われていたらしい
         

 
  #4000〜             トールフープ採用  

1965年
#5001〜


シリアル#5XXX・COBダイナ
   

1965〜7年頃にswiv-o-maticストレイナーヘ移行した模様


スイヴォストレイナー
ノブ直下に"D"マークあり
    #5XXXのモデルにもクロックフェイスタイプは存在する

1965年
  #7500〜

ウッドダイナ:5プライシェル+5プライレインフォースメントへ移行


5プライウッドダイナ
       

第2世代スネアガード


恐らくこの頃登場
   

1966年
#14001〜 COBダイナ:シェル中央部のラインは7本から5本へ移行  

このあたりでビーバーテール・ラグは2回モデルチェンジしたようです

ラグはより軽量になり、ラグ取付けビスにも変化があった模様


1966年代のラグ内部の様子
これは軽量化する前のタイプ
       

1966年

1967年
#16000〜          

 
 

1967年

1968年
#18000〜              

1968年

1969年
#24000〜  

1966〜69年頃に第三世代オーバルバッジに移行したと言われていますが、詳細は不明です


第ニ世代のバッジよりフットボール型になっているのが分かる
以後、このタイプのバッジは5万余台に使われた
バッジをとめる左右のネジはプラススクリュー
        バッジの移行時期詳細不明

1969年

1970年
#26000〜26999
#43000〜55999
             

1970年

1971年
#69000〜              

1971年

1973年
              マーチングスネアを除きウッドダイナは廃止

1973年

1976年
シリアル#の頭に"D"が付き、従来の連番からは数え方が変わったようです


Big R・COBダイナの例

Big R バッジ登場
初期はスクリプトロゴも併用

スクリプトバッジの併用期間は1年未満(半年位?)だったとの情報あり

その後、残念ながらスクリプトロゴは姿を消しBig R バッジのみになった


Big R バッジ

スクリプトロゴが付かなくなった時、Big R バッジの取付位置は変更され、シェルの反対側になった

最終世代のビーバーテール・ラグ


ラグ内のスプリングはなし

1966年頃のラグと比較すると、周囲が微妙に肉抜きされているのが興味深い所
この頃のスイッチのノブ直下には、"D"のマークは付かなくなりました

最終世代のスネアフレーム

Big R直前からすでに使われていた


フレームに刻印された製品No.
(年代によっては刻印のないフレームもある)

最終世代スネアガード

同じくBig R直前からすでに使われていた


左右の切り欠きはチーニングキーの干渉を避けるための配慮

スクリプトバッジの併用は短期間

Big R直前のオーバルバッジが付いたモデルには、最終仕様のフレームとフープが付いたモデルも存在した

1976年

1982年
頭文字が"D"で始まるものと"RD"で始まるものがあります

ナチュラルブラスフィニッシュ・ベルブラスシェル登場


ナチュラルブラスダイナ

XP-10 ウッドダイナ登場(オールメイプル10プライ)


XP-10・メイプルダイナ
 

深さ8インチモデルに限りセパレートタイプラグを採用=上下で20個

シェルとラグ間にフェルトを有するモデルあり(恐らく後期モデル:フェルトの色は緑と黒がある)


XP-10・8インチダイナ
スイッチ及びトーンコントロールノブの中央にポッチあり    

XP-10としてウッドダイナソニックが復活!

(オールメイプルウッド10プライ)

1982年

1985年?

シリアル#なし

#で製品を管理する必要がなくなった?
(詳細不明)

             

1985年?

年代/特徴

シリアル#

シェル

バッジ&ロゴ

ラグ(通常10個)

スイッチ

スネアフレーム

スネアガード

特記事項

特徴\年代

:左記シリアル#と特徴が必ずしも一致するとは限りません
移行的に変更された可能性があります事をお断り申し上げます

また、万一内容に誤りがございましたらどうかお許し下さいませ
(内容の誤りから問題が生じましても、当方はその一切の責任を負いません)

なお、上記年表はロブ・クック氏著「ザ・ロジャースブック」を大いに参考にさせて頂きました

(掲載している写真はもちろんすべて当方のオリジナルです)

ロジャースの歴史ページへ戻る

メニューのページへ戻る