Big R & MEMRILOC ROGERS 4 piece kit

1978年、新カラーフィニッシュのモデルとして登場しました

Big R + メモリロック ロジャース4点キット

ナチュラルメイプル・ラッカーフィニッシュ

8×12", 9×13", 16×16" & 14×22"

Big R、及びメモリロック搭載のモデルは1975年頃に初めて紹介されました
このセットは1979年に登場するXP-8シリーズとの共有点が多々見られます

BDマウントは3タムや4タムにも対応するようになりました(詳細写真後掲)
そこで、BDの中央にはシェル変型防止のためのスタビライザーが付きました

(注:管理人がぎっちょなものでセッティングは左右が逆になっています^^;)

ナチュラル・フィニッシュのエクステリアはXP-8にとてもよく似ています
しかし、これは1977年のカタログにはまだ存在しないフィニッシュでした

なお、13"タムのBig Rバッジはブラケットに向かってすぐ右側にあります
この年代はこの位置ですが、XP-8の時代はブラケットの反対側になります

(参考比較写真)

参考:同ポジションにてXP-8の13TT(手前)をご覧下さい
Big Rバッジはブラケットの反対側にあるため、見えません

(ほんのちょっとした違いですが、こんなん見つけるのもまた楽し!)

以下は1978年の国内版カタログ抜粋ですが、新カラー3種が追記されています(NOW PRINTING)

上記、1978年国内版カタログの"FINISHES."より当キットは"NATURAL MAPLE #091"である事が判明
1979年にはXP-8シリーズが登場するため、キットの販売期間は1978年わずか1年だった計算になります
なるほど、道理でこのようなみょうちくりんなロジャースキットはあんまり見かけない訳ですね〜(ー_ー)

同カタログ裏表紙より、新カラーは現行カラーより若干高価だった事が分かります
(右下記載はカタログ製造月日である昭和53年11月10日を表わしているようです)

一方、劣化したBDゴム足の代用品を探してみました

写真中央は市販の24mmパイプ用ゴムキャップです

ほぼピッタリ!

さて、ここからは各シェルのベアリング・エッジについて見ていきましょう

12インチタムのエッジの様子です

内装はクリア仕上げ、かつレインフォースメントを装備しています
プライ数はシェル5プライ、およびレインフォースメント5プライです

(ちなみにXP-8モデルはシェル8プライのみでレインフォースなし)

5プライ+5プライモデル内装は白黒斑グレー塗装が標準だったはず…
この点からもXP-8ヘ移行する直近のモデルである事が想像出来ます

同じく13インチタムのエッジ

同様に16インチフロアタムのエッジ

これは22インチBDのエッジの様子です

エッジの形態も"9/72"モデルよりXP-8に近い事が分かります

バターサイド・ロジャースオリジナルヘッド

BDのC・Sヘッドの上方には、お馴染み "ROGERS U.S.A." ロゴ

この時期、MEMRILOC(メモリロック)はBig Rと共に誕生しました
ここからはメモリロック・パーツに隠された秘密に迫りたく思います

写真はBDレッグ3種ですが、パイプ面に梨地仕上げが施されています
ロジャース社は、これを「サテンクロームの仕上げ」と呼んでいます

これは強度を保つための工夫との事 (77年度版カタログに紹介あり
ダブルタムホルダー付根のセンターロッドにも同様の加工が見られます

(ROGERSのオリジナルな足先ゴム・キャップにも何種類かあります)

これはFTレッグですが上記と異なりピカピカのクローム仕上げです
(この部分は強度的に問題がないと判断されたため、と思われます)

これはBDタムホルダー・ブラケットの固定用ネジです
(ここにもBig Rマークの片鱗をうかがう事が出来ます)

ネジの先端にはキッチリ溝が切られているのが見えます

メモリロッククランプをしっかり固定する為の工夫です

これはフロアタム足固定用・ブラケットのネジです
(こちらにも控えめながらBig Rマークがあります)

ここには大きな荷重がかからない為、溝はありません

適材適所でパーツの使い別けがなされているのですね

これはMEMRILOC(メモリロック)タムロッドの受け部分です

写真はダブルタム仕様ですが、白いメクラキャップを外すと…
トリプルタム仕様等にチェンジできるように設計されています

以下にトリプルタムの使用例をカタログより抜粋ご紹介します

1977年度ロジャース日本語版・カタログより
(スパニッシュゴールド・カバリング仕上げ)

特別なタムホルダーを使用する事で、BD上にはタムを4個マウントできます

以下に4タムの使用例をカタログよりご紹介します

1982年度ロジャース日本語版・カタログより
(ナチュラルメイプル・ラッカーフィニッシュ)

上記は、1980年カタログよりXP-8ナチュラルラッカー仕上げ3種を紹介する写真です
この写真からナチュラルタイプのモデルはXP-8の登場と共に誕生したと考えていました

ところが、写真のBDロゴをよく見るとXP-8の記載がありません!
しかもXP-8と謳いつつレインフォースメントがありそうな感じ…

実はこのカタログ写真には1978年モデルが使われたようなのです
当ページでご紹介したキットは写真右端そのものだったようです!

BDヘッドにおけるXP-8ロゴの例
(「U.S.A.」の位置にも要注目)

当時のロジャースと製品カタログの関係について

ロジャースにはカタログに掲載されなかったモデルが少なからず存在しております
もちろん、特注などに応じるシステムがあったとしても全く不思議ではありません

XP-8の内面はクリア塗装が一般的ですが、特注で斑グレーの塗装も行われました
これは従前モデルをお持ちの方が太鼓を追加する際、統一させるための配慮でした

そして、興味深い情報をロジャースファンクラブ.コム主催者様より頂戴しました
XP-8への移行期には5プライと8プライシェルの混在キットが存在したそうです
(あんまり気持ちのよろしいキットではありませんね 私は欲しくない… (^^;;; )
しかしプライ数は異なっていても、内面塗装はどちらかに統一されていたとの事

このような珍事が起きたのは、恐らく過渡期である1978〜80年頃と推測されます

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