高校野球のレベルについて



 最近、甲子園の高校野球のレベルが落ちた、という声をよく耳にします。その根拠としてよく挙げられるのが、打撃戦が多いことのようです。
 では、実際にはどうなのでしょうか。これは大変難しい問題です。なぜなら、今のチームを過去のチームと試合させることができないため、どうしても主観的な意見になってしまいます。野球に限らず、昔と今ではどちらがレベルが高いか、という話をすると、若い人は「今の方が高い」といい、年配者ほど「昔はレベルが高かった」という傾向があります。その裏には、無意識のうちに自分の年代を擁護しようとする気持ちが働いているからです。
 また、スポーツのように、年々用具や技術が進歩していくものの場合、単純にくらべることはできません。30年前の木製バットのチームと今の金属バットのチームをそのまま試合させれば、今の方が勝つに決まっています。対戦させれば今のチームが勝つからレベルが高い、というのもちょっと暴論でしょう。
 私は、高校野球のレベルそのものはそんなに変化はない、と考えています。ただし、甲子園のレベルは下がったかもしれない、とも考えています。というのは、かつては有力選手は特定の学校に集中していました。それらの学校は毎年のように甲子園に出場して、たいへん高いレベルで試合をしていたと思います。最近は、中学時代に評判となった選手でもいわゆる強豪校には進学しない例が増えてきました。
 1つの県にいる有力選手の数が同じ場合、全員が同じ学校に進学すればその学校のチーム力は非常に高くなります。しかし、多くの学校にわかれて進学すれば、個々のチームの実力は低いままです。1県1代表のため、チーム力の高い学校がなくてもどこかが必ず甲子園に出場しますから、そうした県では甲子園出場校の実力は以前より下がっている可能性が高いのです。

2000.9.20 H.Morioka


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